能力の歓声 ページ27
Aside
練習試合当日。私たちは第一スタジアムに足を踏み入れた。
「うわっ、観客めっちゃ多い!」
第一スタジアムはこの学院の中で一番大きな場所だ。そのスタジアムは今や満席と言ってもいいのではないだろうか。たくさんの観客が私たちの試合を見にきていた。
「まぁGが試合するなんて今まであんまりなかったからね。流星隊にコテンパンにやられるのを見て楽しもうとしてんじゃないのぉ?」
「それか流星隊の試合を見学に来たか…かナ」
どう考えてもその二択しか思い付かん。
スタジアムに足を踏み入れた時だって多少の冷たい目と、少しざわつきが一瞬治った気がしたし、あれだ。勝ったらブーイング受けるやつだ。
_______まぁ負けてやんないけどね。
私たちがスタジアムに来てから五分くらい経った頃、私たちの対戦相手が来たようだった。
「流星隊、来たね!」
五人の影がだんだんとこちらに向かってくる。ヒーロー衣装に身を包んだ流星隊がスタジアムに入った瞬間、観客がワッと湧き上がった。
私たちが入った時とは対称的な観客の声援。最初から感じる彼らの威厳。この人たちは強いのだと痛感した。
「あ、深海くん!」
「奏汰にいさん!」
私たちが馴染みのある水色の髪の毛に気づくと、向こうも気づいてくれたのか、笑顔でゆっくりと手を振ってくれた。
流星隊は戦い慣れているのか、緊張などのマイナス感情は感じられない。さすがといったところだ。
試合が始まる直前、流星隊のリーダー守沢千秋くんが挨拶に出向いてくれた。
「今日はよろしく頼む!Guiltyだったか?楽しく熱い試合をしよう!」
そう言って手をこちら側に満面の笑みで差し出す。
や、やばい。
私たちリーダー決めてないから誰がその手を握っていいのかわからない!
こういう時は無理やりダァ!ていうかこの人しか思いつかないし!
「瀬名センパイ!」
「泉!」
私たちは泉の方へと振り返る。
「ちょっ……」
そして泉を前へと突き出した。
案の定、泉は盛大にため息をついて「ほんっと、しょうがないんだからぁ!」と文句を吐きつつも守沢千秋くんの差し出した手を握った。
「俺らヒーロー倒そうとする悪役、Guilty(有罪者)だからさぁ。簡単には倒させないよ、守沢」
守沢千秋くんは満足気な顔をして「ああ!」と相槌を打つと手をスッと離し、流星隊のところへと帰って行った。
「リーダー決定だね!」
さぁ、Guiltyの初試合が始まる!
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朝霧藍 - 気にしない方針で大丈夫です。ありがとうございました。 (2017年9月10日 18時) (レス) id: f5e9b9845d (このIDを非表示/違反報告)
玲瓏(プロフ) - 朝霧藍さん» いや、ありがとうございますですが、、、。似てても、もう気にしない方針でいいでしょうか?これも何かの縁です。朝霧藍さんも頑張ってください!わざわざありがとうございました! (2017年9月10日 12時) (レス) id: 84d9c8d630 (このIDを非表示/違反報告)
朝霧藍 - 読ませていただきました。たしかに、似ている部分がありますね。でも、玲瓏さんの方が圧倒的に話の書き方が上手です。最初の一話読んだらその次も読みたくなってしまい、気づいたら全部読んでました。更新頑張ってください。応援してます。 (2017年9月10日 11時) (レス) id: f5e9b9845d (このIDを非表示/違反報告)
玲瓏(プロフ) - 朝霧藍さん» 朝霧藍様も少し読んでみていただけませんでしょうか。意見が欲しいです。最初の一話でいいので。 (2017年9月7日 16時) (レス) id: 84d9c8d630 (このIDを非表示/違反報告)
玲瓏(プロフ) - 朝霧藍さん» 見てきました。確かに似ているような点もありますがよくある設定なので仕方ないかと。 (2017年9月7日 16時) (レス) id: 84d9c8d630 (このIDを非表示/違反報告)
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