能力の約束 ページ24
瀬名side
「王様、約束どうりスタジオに来たんだけど?」
俺はあの日体育館で王様の手を掴むと同時に〈今度スタジオに俺が行くから今日は引いてくれない?〉とイマジネーションで伝えておいた。
しっかりと伝わっていたのか、王様の手を見ると指が三つ立ててあった。
三?
………ああ、3日後ってことね。
そのまま王様の手を振りほどいたってわけだ。
「セナか!待っていたぞ」
王様は五線譜に音符を書いていた手を一旦止め、俺の方を振り向いた。
床にはこれでもか、というくらいに五線譜が散らばっていて正直足の踏み場がない。
誰か片付ける奴はいないのか、と思ったがよくよく考えてみればこの五線譜全て今日消費したのかもしれない。
「また作曲してんの?」
「インスピレーションが湧き上がったんだ。やっぱりおれは天才だな!」
こいつは自称天才野郎だと誰かが言っていたけど、俺からしてみちゃ自他共に認める大天才だ。絶対本人には言わないけど。
王様の能力、インスピレーションは錬金術においてありえない力を発揮する。
ほんと、羨ましいよねぇ。
「で、おれたちKnightsに戻ってくる気はないのか?」
「そのうち戻ってやろうと思ってるんだけどぉ?」
「そうか、やっぱり自分の力で戻らないとセナは納得しないよな」
「ん?どういうこと?」
まぁ自分の力で戻らないと納得はしない。が、今の王様の言い分だと非合理的なやり方で戻ることができるような言い回しだ。
「ほら、スオーって新人入っただろ?」
ああ、なんかくまくんが言ってたような気がする。
「そいつがSなんだ」
なるほど。この学院のルール上、SランクならGを引き受けることができる権利があるからね。
それを利用すれば俺は見事元に戻れると。
でも王様には悪いけどそんなカッコ悪いこと俺のプライドが許さない。
「俺は自力でのし上がるから、信じて待ってなよね」
そうやって言うと、王様は満面の笑みを向けてくれた。
「ああ、信じるから先に行って待ってる」
「ありがと」
絶対に追いついてやるから、待っときなよね。
すると王様は何かを思い出したのか手をポンっと叩く。
「セナ、一応言っとくがおれはお前の味方だ。差別なんてしない。いつでもなんでも頼れ」
そんなの信じてるって言ってくれてる時点からわかってるよ。
でも嬉しいことに変わりはない。
どうせなら少し、頼ってしまおうか。
「王様、よければ高難度な錬金術教えてくれない?」
145人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
朝霧藍 - 気にしない方針で大丈夫です。ありがとうございました。 (2017年9月10日 18時) (レス) id: f5e9b9845d (このIDを非表示/違反報告)
玲瓏(プロフ) - 朝霧藍さん» いや、ありがとうございますですが、、、。似てても、もう気にしない方針でいいでしょうか?これも何かの縁です。朝霧藍さんも頑張ってください!わざわざありがとうございました! (2017年9月10日 12時) (レス) id: 84d9c8d630 (このIDを非表示/違反報告)
朝霧藍 - 読ませていただきました。たしかに、似ている部分がありますね。でも、玲瓏さんの方が圧倒的に話の書き方が上手です。最初の一話読んだらその次も読みたくなってしまい、気づいたら全部読んでました。更新頑張ってください。応援してます。 (2017年9月10日 11時) (レス) id: f5e9b9845d (このIDを非表示/違反報告)
玲瓏(プロフ) - 朝霧藍さん» 朝霧藍様も少し読んでみていただけませんでしょうか。意見が欲しいです。最初の一話でいいので。 (2017年9月7日 16時) (レス) id: 84d9c8d630 (このIDを非表示/違反報告)
玲瓏(プロフ) - 朝霧藍さん» 見てきました。確かに似ているような点もありますがよくある設定なので仕方ないかと。 (2017年9月7日 16時) (レス) id: 84d9c8d630 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ