能力の想像 ページ23
Aside
今のが、妖術？
恐怖を感じる感覚は言って仕舞えばじわじわゆっくり襲ってきた。
そして急に鳥肌がたって、まるで幽霊と遭遇したかもような絶望に体が動かなくなって。
「妖術は肉体的な攻撃ではなく相手の精神に直接訴えかける技………」
「そうじゃ」
戦闘において焦りは禁物だ。杞憂を起こしたりするし的確な判断が掴めなくなる。
つまり妖術はその焦りを仰ぐ技ってこと！
凄く有効的だし、身につけられたら敵なしじゃん！
「それにしても本当にマジギレしてるのかと思ってびっくりしたよ！」
「我輩が起こされ方くらいで怒るような器じゃないことはわかっておるくせに」
演技はうまいし、普段使わないデストロイは使うし、怒ってるようにしか思えなかったけどね。
でも一応次からは揺さぶって起こそう。
「さて、実際体験してみて妖を信じられるようになったかA」
そういえば不信感は抱かなくなったような気がする。
「私今の体験で疑っていた妖の力、少しだけ信じられるようになったかも！」
零さんは嬉しそうに微笑んだ。
「習うより慣れろというからのお」
「じゃあもう私妖術使える！？」
私は、妖怪をできるだけ想像してみる。しかし、なにも起こらない。やはり錬金術とやり方は違うのだろうか。
それか、やっぱり私にはできない？
私が少し悲観的になると零さんはそれに気づいたのか、はぁ、とため息をこぼす。
「A、この空間を地獄だと思うんじゃ。どうしてもダメなら深い海が真下にある崖の上を想像してみるがよい」
なるほど。この空間ごと、この軽音部室すべてを架空空間へと繋げるってことだよね。
私は目を閉じた。
思い浮かべるのは、この学院にないはずの4階の4番目トイレ。七不思議の一つだ。
私が4階への階段を上った瞬間、3階が消えて無くなってしまう。後戻りできず仕方なく歩き進めることにした私。
少し経った頃、ぺちゃ、ぺちゃ、と誰かの足音が耳に入ってくる。
同時につん、と生臭い匂いが漂う。
私の他に誰かいるの？
音と匂いがする方に進むといかにもボロいトイレがあった。廊下は綺麗なのにね。
息を飲んで入ってみると4番目のトイレだけが閉まっている。
不審に思って扉を叩いてみると、手が触れた場所がひんやりとした。
次第に足音が大きくなって生臭い匂いにも耐えきれないくらいになってきた。
背筋が凍る。後ろを振り向きたくない。怖い！！
「上出来じゃ、A」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 145人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
朝霧藍 - 気にしない方針で大丈夫です。ありがとうございました。 (2017年9月10日 18時) (
レス) id: f5e9b9845d (このIDを非表示/違反報告)
玲瓏(プロフ) - 朝霧藍さん» いや、ありがとうございますですが、、、。似てても、もう気にしない方針でいいでしょうか？これも何かの縁です。朝霧藍さんも頑張ってください！わざわざありがとうございました！ (2017年9月10日 12時) (レス) id: 84d9c8d630 (このIDを非表示/違反報告)
朝霧藍 - 読ませていただきました。たしかに、似ている部分がありますね。でも、玲瓏さんの方が圧倒的に話の書き方が上手です。最初の一話読んだらその次も読みたくなってしまい、気づいたら全部読んでました。更新頑張ってください。応援してます。 (2017年9月10日 11時) (レス) id: f5e9b9845d (このIDを非表示/違反報告)
玲瓏(プロフ) - 朝霧藍さん» 朝霧藍様も少し読んでみていただけませんでしょうか。意見が欲しいです。最初の一話でいいので。 (2017年9月7日 16時) (レス) id: 84d9c8d630 (このIDを非表示/違反報告)
玲瓏(プロフ) - 朝霧藍さん» 見てきました。確かに似ているような点もありますがよくある設定なので仕方ないかと。 (2017年9月7日 16時) (レス) id: 84d9c8d630 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
