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「つ〜わけでさぁ。色々あったし、人も死んでるけど…続ける?交流会。」
生徒たちを前にして軽いテンションでそう言った五条先輩に、悠仁はん〜っと考える素振りを見せてから、「どうするって言われてもなぁ…」と煮え切らない言葉を発した。
その時、「当然。続けるに決まっているだろう!」という今はもう聞きなれた声が聞こえて悠仁は表情をこわばらせる。
「…その心は?」
五条先輩が問いかけると、東堂は瞳を閉じて話し出した。
「ひとつ。故人を凌ぐのは当人とゆかりのある者たちの特権だ。俺たちが立ち入る問題ではない。
ふたつ。人死にが出たのならば、なおさら俺たちに求められるのは『強くなること』だ。後天的強さとは結果の積み重ね、敗北を噛みしめ勝利を味わう。そうやって俺たちは成長する。
結果は結果としてあることが、1番重要なんだ!」
そんな様子を見て、三輪が「東堂先輩って、意外としっかりしてるんですね」と言えば真依に「しっかりイカれてんのよ」と返されていた。
「みっつ。学生時代の不完全燃焼感は死ぬまで尾を引くものだからな」
貫禄があるようでないドヤ顔でそう言い切る東堂に五条先輩は「お前いくつだよ」と突っ込まれていた。…あの五条先輩にだ。
「俺は構わないですよ」
「どーせ勝つしね。」
恵と野薔薇がそう言うと、それに続いて憲紀も「屁理屈だが一理ある。」と声に出した。
「いや、憲紀は休んだら…」
頭に包帯を巻いた憲紀にAは冷静に突っ込んでしまった。
「異議なーし。」
「しゃけ〜」
そこで、真希が「個人戦の組み合わせはくじ引きか?」と五条先輩に問いかけた。
「んえ?今年は個人戦やんないよ?」
「「「「「「「「「?」」」」」」」」」
これだけ個性の強いメンバーで、初めて全員の考えていることが揃った瞬間だった。
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作者名:レイ | 作成日時:2022年3月18日 1時