【H×H】とりあえずキルアが尊くて死ねる

34.到着 ページ35

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試験開始から50時間が過ぎた。残りは22時間。しかしキルア達は一向に戻って来ない。あのキルアがこんなに苦戦しているなんておかしい。

誰かが足を引っ張っているのだろうか？ そんなことを考える。






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さらに時がたち三次試験の残り時間も30分を切った。既に合格した者たちはようやく終わる、とストレッチをしたり凝り固まった肩や腰を伸ばしたりしている。

しかし私は内心焦っている。


(キルアが来ない。どうしようどうしよう無事かな。何かあったのかな。まさか死んでいないよねキルア。もし一緒にいた奴らが原因でキルアに何かあったりしたらころしてやる)


光のなかった目には怒りが宿り、わずかな殺気が漏れる。周りから見るとかなり恐ろしい様子だったようで、近くに座っていた人はいそいそと離れて行った。





「落ち着けよA」


「イル兄！ でも！！」




再び針を刺し、ギタラクルになったイル兄に肩を叩かれ我に返る。




「安心しろ。キルはそんなやわじゃないさ」


「そうだよね……」




私の心配をよそに、時間は刻一刻と迫っている。

いよいよ残り1分。

まさか本当に来ないのでは……そんな思考が頭をよぎる。



しかし残り30秒になったころ、唐突にキルアの気配がした。とっさに立ち上がり、気配の出所を追う。どこの扉も開いていないが、私が間違えるはずがない。



気配のする扉の前に行くと、程なくしてその扉が開き、大好きな顔が目の前に見えた。




「キルアっ！」



人目もはばからずに抱き着くと、キルアは




「うわっ！ なんでここから出てくるってわかったんだよ！ こわっ！ Aこわっ！」




と叫んだがそんなの関係ない。キルアの香りを堪能しながら




「キルアなんだから当たり前でしょ！」




と言ってキルアから離れ、正面に向き合い今度は静かに微笑む。




「もう来ないんじゃないかって本気で心配したんだからね。でも間に合って良かった」

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