君を忘れない

拒絶 ページ16

俺は病院に行った


多「えっと、ここか」


彼女の病室は308号室


少しわかりにくいところにあったが
なんとかたどり着けた


コンコン


？「はい？」


ガラッ


多「すみません、花宮Aさんの彼氏の十束多々良です」
「Aさんはいらっしゃいますか？」
？「貴方、この間のAの彼氏さんね！」
多「あ、Aのお母さん」
母「でも、ごめんなさいね。。あの子、知り合いに会いたくないって言ってるから」
多「そう、ですか。じゃあこれ、渡してもらっていいですか」


そう言って俺は紙袋と花束を渡す


多「彼女の友人の日茉莉が作ったケーキと赤薔薇の花束です」


日茉莉のケーキは食べてもらえるだろうか

俺の花束はもらってもらえるだろうか

多「…また来ます」


それ俺は毎日この病院、病室に通った。

彼女には会えなかった。

彼女が会いたくないと言ったから。

だけど俺は毎日通った。

花を手土産に。

この間は白い薔薇、先々週は胡蝶蘭やペチュニア。

先週は百合、すずらん。

一昨日はガーベラ、昨日はアネモネ。

今日はスターチス。

彼女が好きそうな華やかで可憐な花ばかり持って行った。

それでも、彼女には会えなかった。

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