【男主】紅い目の吸血鬼【東方project】

第1話＊目覚めの馬乗り ページ1

朝。
窓からまばゆい光が差し込み、朝の訪れを告げている。

俺は朦朧とした意識の中、ゆっくり目を開ける。

すると何か赤色と黄色のもやもやした物が俺の上に馬乗りになっている。

目を擦るとそのもやもやした物がはっきりとした物に変わる。

『…ちょっとどいてくれないかな…フラン』
「お兄様が私にちゅーしてくれたらどいてあげる。」

俺の上に馬乗りになっている奴。
こいつはフラン。
フランドール・スカーレット。俺の妹で、吸血鬼だ。

『フラン、そういうのどこで覚えたんだ…』
俺はフランのお遊びに付き合っていられる程暇じゃない。

フランを横抱きし、ベッドから降りる。
歯を磨くために洗面所へ移動する。
「ねぇ、いつになったらお兄様はにちゅーしてくれるの?」

フランは首を傾げながら俺の首に腕をまわす。

『いつとか無いよ、そういうのはフランが好きになった人にしてあげて。』
「私はお兄様の事好きだよ!?したっていいじゃない…」
フランはふくれっ面をする。

どうやら拗ねたようだ。

フランはふくれっ面をしたまま黙り込んでしまった。
少し、気まずい。
そんな事を思っていると、洗面所についた。
『歯磨いてくるから』
俺はそう言ってフランをゆっくりと降ろす。

俺は洗面台の前に立ち、歯ブラシを取ると口の中につっこむ。
2分程歯磨きをして、顔を洗う。

レミリア達は雨などの流水が苦手らしいが、俺はそうでもなかったりする。
何故かは知らない。

歯を磨き終えて、洗面所から出て廊下へと移動する。

フランはどこかへ行ったりしないで、俺の事を待っていた。

「遅いよ…」
フランはそれだけ言うと、俺の方へ寄ってきて、抱っこしろと両手を伸ばし、催促をしてきた。

『はいはい』
俺はさっきと同じようにフランを横抱きして、へと向かう。

***
ダイニングルームに着いた。フランを下へ降ろし、自分の席につく。

席についてから疑問に思った事は、レミリアが何故か不機嫌だった事だ。

そんな事を思いながら、目の前に置かれた【豪華な朝御飯】に手をつける。

まぁ、その【豪華な朝御飯】というのも咲夜が料理した人間なんだが。
フランはスプーンやフォーク、ナイフを使わずに手で食べ始めた。

フランの食事風景を何も言わずに見ていたレミリアはため息をひとつつくと、席を立って
「私、こんな汚い食べ方する妹をもった覚えないわ。食欲無くなったから部屋に戻る」
咲夜にそう言うと速足で部屋へ戻ってしまった。

第2話＊知識と日陰の少女→

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す