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ぱくぱくと餡蜜を食べ進めていく。その様子をジッと三木ヱ門くんは見ている。
「そんな見られると照れるんだけど…」
田村『いや、美味そうに食べるなぁって』
「美味そう、じゃなくて、美味しいんだよ」
田村『ふぅん、その、あいすくりぃむ?っていうの、私にも一口くれないか?』
「ん?いいよ!じゃあ、匙をいっこもらおうか」
田村『いや、そのままでいい』
そう言うと三木ヱ門くんは私の手を掴みすくってあったあいすくりぃむを自分の口の中にいれた。
田村『…!本当に美味しいな…!』
本人は気にしてない様子だが、私は気にする。これは、これは…!
「かっ、かんせつ…き…っ!!///」
田村『はぁ?今お前は男装してるんだから細かいこと気にすんなよ』
…それもそうか?
「そ、そっか…、男の子同士だもんね」
田村『おう、周りも気にしてないぞ。それより、早く食べないと溶けるぞ』
そう言われ私は餡蜜を食べ進める。
おしるこを食べ終えた三木ヱ門くんは店の中から街の様子を見ている。
おしるこが熱かったのだろう。三木ヱ門くんの顔は赤くなっていた。
「ごちそうさまでしたっ!」
本当にとても美味しかった。異国の氷菓子の何たる美味さ。これは金平糖を初めて食べた時以来の感動だ。
田村『おう!ってことで、またなんかあった時はよろしくな』
「まさか、そのために今日ご馳走してくれたの〜?」
田村『ほ、ほんとにお礼がしたかったんだって』汗
「冗談だよ、また潮江さんがいない時に内緒で手伝ってあげる」
田村『…あー、それなんだけど、実は』
帰り道に向かう途中、衝撃の話を聞いた。
「えぇっ!?潮江さんにバレてたの?」
田村『会計報告の書類、お前の字だったからな。すぐバレたよ』
団蔵くんが潮江さんはとても怖いと言っていた。今度会う時に怒られる覚悟をした方が良さそうだ。
田村『潮江さんが"次もやばいと思ったらAを呼ぶことを許可する"って言ってたぞ』
「えっ…じゃあ、今度はコソコソじゃなくて、堂々と手伝っていいんだ?」
田村『…昨日も結構堂々とした手伝いだったがな』
そういって三木ヱ門くんは笑う。
良かった。緊急だからといって、会計委員以外の私が仕事をしてしまったから少し罪悪感は感じていた。
田村『あと、もうひとつ言ってたぞ。』
「?」
田村『"今度帳簿の計算する時どちらが早くできるか勝負する"と』
「…えぇ」
しばらくは、会計委員のお手伝いやめとこうと心に誓った。
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しらすは釜揚げしか勝たん(プロフ) - さくらさん» コメントありがとうございますー!今回はただの番号振り間違いでしたので間に物語が入ることはなかったです(´∀`;)ホッ!気づいて下さりありがとうございました!さくらさんも体調にお気を付けて!もうすぐ終わるその2も、これから始まるその3も是非見て下さいー! (2021年7月20日 9時) (レス) id: 1903d8bb4f (このIDを非表示/違反報告)
しらすは釜揚げしか勝たん(プロフ) - 雛鳥さん» コメントありがとうございます!面白いって言ってもらえて嬉しくて涙が…!雛鳥さんも体調にお気を付けて!お気遣いありがとうございます! (2021年7月20日 9時) (レス) id: 1903d8bb4f (このIDを非表示/違反報告)
さくら - 暑いですね〜…毎日、楽しみに読んでいます!もうすぐ、その3ですね!頑張って下さい!!あの、《42》がありません。体調には気を付けてね!(´Д⊂ヽ (2021年7月20日 7時) (レス) id: 4385f0a431 (このIDを非表示/違反報告)
雛鳥 - 1番最初から読んでハマりました!とっても面白いです!これからもキャラといっぱい絡みつつ作者さんも最近暑くなってきたので体調に気をつけてください! (2021年7月20日 7時) (レス) id: 4ab8794890 (このIDを非表示/違反報告)
しらすは釜揚げしか勝たん(プロフ) - チロルさん» コメントありがとうございます!すんごく嬉しいですー!ありがとうございます!これからも見てってください!(b・ω・)b (2021年7月19日 23時) (レス) id: 1903d8bb4f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しらすは釜揚げしか勝たん | 作成日時:2021年7月12日 22時