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先程三木ヱ門くんと予定を決めたが、1つ問題がある。
(また、盗賊襲われたらどうしよう)
この前の原因は、ズバリ弱そうな小娘に見えたからだと思う。つまり、
(みんなみたいに袴を着れば…つまり、男装をすればいいのではないか?)
そうと決まれば、と押し入れに入れた袴をだす。
(まさか日雇いバイトの男装用に買った袴が役に立つとは…)
袴の着方はいつも忍び装束を着ているのでだいたい分かる。丈も同じくらいなので着て違和感はないと思う。
上の小袖も、いつもの梅鉢の文様だと可愛すぎるだろう。たしか、まだ押し入れの中に作った…
「あ、あった。敷松葉文様の小袖」
初めて自分で反物を買ってこしらえた思い出の小袖だ。これなら袴に合わせてもおかしくないだろう。
「よ、よし。あとは…」
武器だ。この間は抵抗するものが何も無かった。武器が何かあれば逃げる隙などが出来るだろう。
しかし、自分一人で考えても何も思いつかない。
ちょうど夕食時だ、食堂に行けば誰か知り合いに会うだろう。
そう思い、明日着るものを布団の近くに置き、私は食堂に向かった。
食堂に着くと、実習に行っていた6年生が戻っていたようだ。食満さんと善法寺さんがいる。
私は食堂のおばちゃんに焼き魚定食を頼んで、食満さんの前の席に行き、声をかける。
「食満さん、善法寺さん、こんばんは。こちらの席座ってよろしいですか?」
食満『おぉ、A、こんばんは。良いぞ』
善法寺『こんばんは。体調はもう大丈夫?』
「はい。すっかり。ご心配おかけしました。」
食満さんの前に座り、いただきますと手を合わせる。
食満『なにか聞きたいことでもあったのか?』
食満さんに鋭い質問をされる。そうだ、一緒に仲良く夕ご飯が今日の1番の目的ではない。
「えっと、実は明日の午後から三木ヱ門くんと町へ出るのですが、その時私でも扱える武器や道具があればと…」
伊作『もう町へ行くの…?心配だよ…』
そう言って困り眉をしてる善法寺さん。
「少し怖いですが、今度は舐められないように男装をするから大丈夫です!それに、いつまでも怖がってもいられません。善は急げ、です!」
むん!とガッツポーズをする私を、善法寺さんはふふっと笑い、
伊作『あんまり無理しちゃダメだからね。何かあったら三木ヱ門に頼るんだよ』
意志を尊重してくださった善法寺さんには感謝しかない。きっと心配してくれてる。
「ありがとうございます……い、」
伊作『?』
「……伊作先輩」
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しらすは釜揚げしか勝たん(プロフ) - さくらさん» コメントありがとうございますー!今回はただの番号振り間違いでしたので間に物語が入ることはなかったです(´∀`;)ホッ!気づいて下さりありがとうございました!さくらさんも体調にお気を付けて!もうすぐ終わるその2も、これから始まるその3も是非見て下さいー! (2021年7月20日 9時) (レス) id: 1903d8bb4f (このIDを非表示/違反報告)
しらすは釜揚げしか勝たん(プロフ) - 雛鳥さん» コメントありがとうございます!面白いって言ってもらえて嬉しくて涙が…!雛鳥さんも体調にお気を付けて!お気遣いありがとうございます! (2021年7月20日 9時) (レス) id: 1903d8bb4f (このIDを非表示/違反報告)
さくら - 暑いですね〜…毎日、楽しみに読んでいます!もうすぐ、その3ですね!頑張って下さい!!あの、《42》がありません。体調には気を付けてね!(´Д⊂ヽ (2021年7月20日 7時) (レス) id: 4385f0a431 (このIDを非表示/違反報告)
雛鳥 - 1番最初から読んでハマりました!とっても面白いです!これからもキャラといっぱい絡みつつ作者さんも最近暑くなってきたので体調に気をつけてください! (2021年7月20日 7時) (レス) id: 4ab8794890 (このIDを非表示/違反報告)
しらすは釜揚げしか勝たん(プロフ) - チロルさん» コメントありがとうございます!すんごく嬉しいですー!ありがとうございます!これからも見てってください!(b・ω・)b (2021年7月19日 23時) (レス) id: 1903d8bb4f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しらすは釜揚げしか勝たん | 作成日時:2021年7月12日 22時