31話 ページ31
その後、天馬に手を繋がれたまま
グイッと引かれながら歩いていると
大きなアパート？？が見えた。
アパートの窓から見える光が照らされていることに私はそのまま立ち止まった。
夜、窓から照らされる光なんて
あまり見たことなかった。
いつも私が帰ってくる時は、
真っ暗な家だから。。。
「ここが俺のお家、木枯らし荘です」
『いいの…？
お邪魔しても？』
「気にしないでください
さっ、入りましょ」
どんな家なんだろうと胸を弾ませながら
天馬の手をぎゅっと握り、木枯らし荘へ入っていった。
木枯らし荘に入ると、
朝、会った秋さんが私たちを見て嬉しそうに駆け寄ってきた。
「あら、おかえり〜
あっ！朝、お会いした…」
『…こ、こんばんは！
松原Aと言います。
名前お伝えしていなくてすみません…っ！』
秋さんの前で頭を下げながら
名前を伝えるのが遅くなったことを謝る。
「え！？謝らなくていいのよ！？
気にしないで、Aちゃん」
「秋ネェ、今日A先輩を泊めてもいいかな？」
『て、天馬！？
それは…っダメだよ！迷惑に…』
「いいわよ！
全然大歓迎よっ！でも、Aの部屋をどうしようかしら？」
断ろうとしたが、秋さんは天馬の言葉を聞いた瞬間
目を輝やかせながら次から次へと話を広げていった。
本当に…泊まっていいのかな…？
「それなら…俺の部屋でもいいよ！」
天馬の口から信じられない言葉が聞こえ、
勢いよく天馬を振り向いた。
天馬は嬉しそうに私を見つめながら「そうしよう！」と言っていた。
ほ、本気で言ってるの？
二人で一つの部屋にいる…。
そう考えると、急に心臓の音がまたバクバクとなりだした。
音が聞こえないように必死に胸を抑える。
『……天馬……』
私たち、本当に大丈夫なのでしょうか…？
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作者名：れいにゃん | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/my.php
作成日時：2018年3月21日 1時
