私はキミに恋をする。1【松風天馬】 (ページ25)

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25話ページ25

私と葵ちゃんは肩を並べながら
夜道を歩いていった。

「……やっぱりそうですよっきっと！」

『な、なんか葵ちゃん…

凄く熱くなってるね…』

「当然ですよ！！！

熱くなっているというか、
なんというか…っ

あの天馬が…恋をするなんて…！」

恋……？

チクッ

恋なんて今まで考えたことなかった。

チクッ

そう思っていたけど

恋という言葉を聞いていると…

何故かまた胸の中が痛む。

疑問を抱きながらも
葵ちゃんにさっきの事で聞いてみた。

『あの……その

天馬が私の事を好きって…

どうして分かるの？』

「だって、先輩の話を聞いてて
すぐにわかりましたよっ！

これはきっと！天馬は先輩の事が好きなのですよ！」

…うーん。

なんか答えになっていないような…
なっているのだろうか？

『ねぇ、

天馬ってそんなにサッカー…好きなの？』

すると、

葵ちゃんは何故か胸を張りながら
私と目を合わせながらこう言った。

「はい、凄く好きなんです。

天馬にとってサッカーはとても大切なものなんです。

サッカーの事を考える時
いつも楽しそうで嬉しそうで…

見ているこっちまでサッカーを好きになっていくんです」

『…天馬にとってサッカーは大切な…もの』

「…私と天馬、幼馴染なんです」

『え？そうなの？』

「あの時、

天馬に出会っていなかったら
私はサッカーにも興味がなかったと思います

でも天馬に出会ったからこそ
サッカーを好きになっていく自分がいるんです。

そして、

色んな人と出会って…
少しずつ繋がっていく。

サッカーも天馬も凄いなぁって心の底から思うんです！」

葵ちゃんの話を聞いていると
いつの間にか私の目からポロポロと涙が零れていた。

「え！？

先輩…大丈夫ですか！？」

『あ…ごめん…っ

なんか聞いていたらその…

サッカーをしている天馬が少し浮かんできたの』

葵ちゃんはポケットからハンカチを取り出し、
私の涙を優しく拭ってくれる。

『ありがとう…葵ちゃん。

そうなんだね。

天馬ってそんなにサッカーのことが大好きなんだね。

ほんと…すごいよ。』

すると、葵ちゃんはニッコリと微笑み
ハンカチを持っていない方の手で私の頬を撫でた。

『…？』

ゆっくりと葵ちゃんを見つめた。

「…天馬、サッカーと同じくらい

A先輩の事が好きだと思いますよ」

そう言ったのだった。