20話 ページ20
…………
それから時間はあっという間。
いつの間にかホームルームが終わっており、
クラスメイトはどんどん教室から出ていった。
拓人も蘭丸もいない。
先に部活に行ったんだろうな。
でも、行きたくなくなってしまう。
朝、あれだけ放課後にならないかなと思っていたはずなのにそんな気持ちもなくなってしまい、
自分の席に座ったまま、
外から景色を眺めた。
やっぱり心残りしている。
何かあるに違いないと思っていても
そんな事聞けるわけない。
蘭丸のあんな表情…
今まで見たことない。
なんであんな悲しそうな顔をしたのだろう。
全く考えても答えなんて見つからずにいた。
考えるだけで頭がいっぱいいっぱいになる。
『もう……
なんなのよっ』
自分の頭を両腕に乗せ、
そのまままた外の景色を眺めた。
…部活…
いかなきゃ…
……………
いつの間にか、私はそのまま眠ってしまっていた。
＿＿＿＿＿＿＿＿
「………ｸﾞｽｯ…
んで………＿＿＿＿は……ッ」
「……A……
ごめん、俺……」
「いやだッ!!!!!!
……もう聞きたくない……ッ」
「………!!!!!!!!!!!!
……＿＿＿＿Aッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
なにこれ。
またこの夢……？
これは夢なの？
でも夢じゃない気がするのは何故なの？
でも夢の中に私がいる？
どうして私は泣いているの…？
私と一緒にいるのは……
＿＿＿＿＿＿＿＿誰…？
……………………
『………んっ……』
うっすらと目を開くと、
オレンジ色の光が私の目の中に差し込んでいく。
眩しさになれるよう
目を細めながら少しずつ瞼を開いていった。
開いた瞬間、
目の前に人がいる事に気づき
私は慌てて後ろに椅子を引きずってしまう。
そこにいたのは…
「せ、先輩っ！！
大丈夫ですか？？？」
眉を下げながら
心配そうに私を見つめている
天馬の姿だった。
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作者名：れいにゃん | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/my.php
作成日時：2018年3月21日 1時
