12話 ページ12
誰もいなくてよかったなんて思っている暇なんてない。
目の前にいる人を見るだけで
ドキドキを抑えるだけで精一杯だ。
どうしてこんなにキミを見てると胸が高鳴るの？
これって…
あの時と一緒だ。
目の前にいる天馬をじっと見つめたままなのに
私の体はビクとも動こうとはしない。
貴方『………っ』
天馬「………」
その時、
一気に私と君との距離は
＿＿＿＿近くなった。
グイッ……！
後頭部に力強く押されてしまい、
天馬と急接近してまた心臓の音が早くなっていく。
天馬が私の後頭部に手を当て
一気に近づけたからだと言うことに
今更気づく。
鈍い私…。
真剣な目付きをする天馬の大きな瞳に吸い込まれそうになる。
天馬……
わたし…もしかして……
天馬「…先輩
俺、我慢出来ないかも」
そう言うと、
天馬の顔が少しずつ私に近づいてくるのが分かった。
恥ずかしてたまらずに
体を動かそうと試みてもやはり天馬も男の子。
そう簡単に離してくれるはずがなかった。
ドキッドキッ…ドキッドキッ……
荒々しく音が聞こえると共に
天馬の唇が私の唇へと………
.
.
ワンッ…！ワンワンッ！
ハッと気がつくと、
天馬の手が緩み始め
すぐに私は天馬から離れた。
そして、
ワンと言う鳴き声の主は……
白くて大きな犬が天馬の横に座っていたのだった。
天馬「…サッ、サスケッ？？！」
バフッ！！
え、この犬、天馬の…？？？
本当にびっくりした。
でも逆にこの犬に助けられて私はホッと肩を撫でおろした。
すると後ろの方から「サスケーーー？どこー？」と大きな声で呼んでいる女性の声が聞こえてきた。
後ろを振り向くと、
綺麗な顔立ちですらっとしている可愛い女の人が私達の事に気がついた。
「あっ！
サスケ！
…って、それに…天馬っ！？」
え、もしかして……
天馬の知り合い？？
また私は混乱し始めていた。
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作者名：れいにゃん | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/my.php
作成日時：2018年3月21日 1時
