梅雨の終わりに愛を唄う【壱】 (ページ10)

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玖ページ10

『うぅぅぅぅ…』

きよ「伊集院様！落ち着いて下さい!!」

しほ「あわわわわ！胡蝶様はまだですか！？」

『ぅあう!!!!!!』

なほ「きゃああああ!!!!と、時透様ああああ!!!!」

鬼化が進み、自我が失くなった私は医務室を飛び出して行った。

無一郎「駄目だよ」

胡蝶「あらあら」

だがちょうど居合わせた霞柱様と蟲柱様に捕まった。
医務室に戻されると陰達にベッドに押さえつけられた。

『ううううううううううう!!!!!!!!!!』

胡蝶「これは…ほとんど鬼ですねぇ…三人とも、私の部屋にある血鬼止めと解毒剤を持ってきて下さい」

「「「はい!!」」」

あの後、日輪刀はあの場に置いてきた。霞柱様が首を斬ったため蝶屋敷に行く途中に炎は消え、火傷が目立ってしまった。

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しばらくして……。

血鬼止めと解毒剤を飲まされた私は大人しくなり、静かに眠りについた。その間、夢を見た。

そこは静かな霧の中。目の前が見えないほど白い。

衣織「A」

鋼「A」

由芽「A」

聞き覚えのある声が聞こえ振り返ると笑顔で家族が立っていた。

『父上…母上…兄ｯ…衣織兄様……』

衣織「A…お前は1人じゃ駄目だ…」

鋼「お前には…必ず必要としてくれる人がいる」

由芽「すぐ側にいるわ…A」

『な、なんの事…ですか？』

3人は笑顔になると、スっと下から消えていく。

『まって!!待ってよ!!置いてかないで！置いてかないで!!』

「「「愛してるよ/わ」」」