梅雨の終わりに愛を唄う【壱】 (ページ8)

今日:2 hit、昨日:13 hit、合計:1,164 hit

漆ページ8

銀子「ココヲ真ッ直グヨ!!」

銀子の指示を聞きそれに従う。走っていると、1羽の鴉が飛んできた。首には緑色の雫型の首輪を付けている。

雷「デンレイ！デンレイ！鬼殺隊甲、Aヨリ～！南東ノ山ニハ近付クナト言ウ事～!!」

無一郎「…ふざけてるのかな？こっちも任務で来てるんだけど…今更遅いよ」

雷「南東ノ山二ハトリカブトガ充満シテイル～!!」

無一郎「ｯ……ご主人に伝えておいで…甲の命令に、従う気はないってね」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

『梅雨の呼吸、伍ノ型…五月雨の舞』

毒妃「な、何！」

伍ノ型、五月雨の舞。広範囲に渡り、敵を雨で囲み視界を塞いでは隙を突いて急所を突く技。これを食らった者は100%が一度膝を付いてしまう。
隙を見て、毒妃の横腹を刺した。

毒妃「カハッ!!……お、おのれ……貴様ァ!!」

『油断は駄目よ』

毒妃「ゲホッゲホッ…!!」

『……ひとつ教えて…伊集院鋼を殺したのは…貴方？』

毒妃は目を見開くと、私が父の娘だと悟ったようだった。

毒妃「私は違うわ…上弦の…ぁ、ｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱｱ!!!!!!!」

『！？な、なに？』

上弦…そう言おうとした瞬間、突然毒妃が頭を抱えて苦しみ出した。相当痛いのかのたうち回っている。

毒妃「痛い!!痛いのよ～～～～～～～～!!!!!!!!!!」

『…なにか知らないけど…知らないなら死んでもらうわ』

毒妃「寄るな!!!!」

『ｯ!!!!』

首を斬ろうとした途端、刀から腕までの部位にかけて炎が出た。突然の事でびっくりする。

『(血鬼術!?刀には触れていなかったはず!!)』

毒妃「きゃははははは!!その炎には触れた人間を鬼にする薬が混ざっているのよ!!ざまぁみろ!!!!!!!!」

『くっ!!そんな!!』

ここで鬼になる訳には行かない!!まだ父の無念を晴らしていないのに……ここで鬼になんて……嫌だ嫌だ!!

毒妃「もう少しであんたも鬼なるわ!!いいざまね笑……って、何するつもり？」

『さぁ？』

近くにあったトリカブトを手に取ると、なんの躊躇いもなく、口に入れた。

毒妃「(ジサツする気！？…鬼殺隊はこんなものなのかしら)」

『ガハッ、ァ…ゲホッゲホッ!!ぅぇ…ゲホッ…』

焼けるような感覚に襲われた喉を抑えながら、鬼化の進行を遅めた。毒妃の血鬼術の炎の中には鬼にする薬とトリカブトが半々に入っている。ならば、トリカブトを多く摂取する事でトリカブトによる毒効果が強くなる。だから鬼化が遅くなるのだ。