梅雨の終わりに愛を唄う【壱】 (ページ5)

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兄が亡くなってすぐ
御館様に話しをされた。
周りには9人の柱もいらっしゃる。

炎柱・煉獄杏寿郎様
水柱・冨岡義勇様
蟲柱・胡蝶しのぶ様
音柱・宇髄天元様
霞柱・時透無一郎様
岩柱・悲鳴嶼行冥様
恋柱・甘露寺蜜璃様
蛇柱・伊黒小芭内様
風柱・不死川実弥様

私はその9人の方々の先頭に跪き、御館様を見上げた。

御館様「A、先程衣織が亡くなった…妹であるお前は、これからどうしたい…このまま誰かの継子になるか…梅雨の呼吸を極めるか…お前は、どうしたい」

私の応えはたった一つだった。横に控えていた日輪刀を手にとり
柱の方々のお顔をザッと見る。そして再び、御館様を見た。

『私は…梅雨の呼吸を極めます…ただ！…霞柱様に稽古をつけて頂きたいです!!』

御館様と柱の皆様は目を見開いていた。思ってもいなかった応えだったのだろう。

御館様「どうしてだい？」

『はい！…三年前、兄が言っていました…梅雨は霞の派生呼吸だと…霞が蒸発すると雨が降る…そうでしょう…御館様、霞柱様』

無一郎「間違ってはいない…だけど、なんで僕？霞は水の派生呼吸でもある…それなら僕ではなく、水柱にしたらいい」

『……嫌です……私は、貴方様に稽古をつけて頂きたいのです』

時透様は立ち上がり、私の目の前に立った。

無一郎「僕の継子でもない君に、教える事なんて無いよ」

時透様の一刀両断で、話しは破談してしまった。それでも、私は霞柱の継子にはならず、梅雨の呼吸を極める道に進んだ。

『(良いわ!!たとえ…たとえ…協力者や師範が居なくても…18まで生きて…必ず、必ず……父を殺した鬼を…殺してやる!!!!!)』

その日から、私は休む事なく刀を振り続けた。
雨の日も、風の日も、雷の日も……。
素振りを続けた。
一刻も早く柱になり、上弦の鬼を斬らなければ。

『こんなんじゃ駄目!!全く強くなれない!!こんなんじゃ……こんなんじゃ……上弦の鬼を倒せない…!!!!』