梅雨の終わりに愛を唄う【壱】 (ページ24)

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弐拾参ページ24

銀子「チョット!!チョット起キナサイヨ!!誰ノ無一郎二抱キツイテンノヨ!!」

『んー、痛いよ痛い』

鎹鴉の銀子ちゃんにくちばしでつつかれて起こされる。が、今の状況に追いつけなかった。

『む…無一郎…？』

「んー…あれ、起きた？……雷まだ鳴ってるね」

そうだ。私雷怖くて無一郎に抱きついてたらいつの間にか寝てたんだわ…。

『ご、ごめん！ありがとう!!』

「…もう良いの？」

あれ…？無一郎って、こんなに優しかったっけ？

『う、うん…多分、もう大丈夫』

ピカッ

『じゃないです!!』

「…まずお風呂入って来なよ…今日は一緒に寝ればいいじゃん」

『え？』

「明日寝不足で稽古中に倒れられたくないから、仕方ない」

うん。言葉は少しキツイ。
私はビクビクしながらお風呂に向かうと、服を脱いで暖かいお湯に浸かった。

ピカッ!!ゴロゴロッ

『う～…怖い……気持ち、か…』

無一郎に対する気持ちがよぎる。たとえ好きだといっても、私は継子としか思われていないんだろうな。振られるのは目に見えてるわ。

『あー…駄目だ…怖いなぁ…』

お風呂のお湯に、涙がポチャンッと落ちた。

夜。
雷が鳴り響く御屋敷の無一郎の寝室。

「ん、来なよ」

『し、失礼…します』

隣に寝ると絶大な安心感に襲われた。明かりが消えると一気に雨の音と雷の音が目立つ。

「おやすみ」

『おやすみなさい』