梅雨の終わりに愛を唄う【壱】 (ページ21)

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次の日の朝。
蝶屋敷に顔を出すと、見覚えのある男の子がいた。

『君は…』

？「君！この間鬼を斬っていた…！」

なほ「炭治郎さん失礼ですよ!!」

すみ「この方は鬼殺隊の甲様です!!」

？「ぇ、えええええ!?き、甲様!?」

男の子は飛び上がると綺麗に一礼して名を名乗った。

炭治郎「初めまして!!新しく入隊した、竈門炭治郎です!!よろしくお願いいたします！！」

『(礼儀が良いなぁ)はじめまして、伊集院Aです。よろしくお願いしますね、炭治郎さん』

きよ「A様は霞柱である時透無一郎様の継子なのです!!」

炭治郎「継子!?」

きよちゃん。あんまり言いふらさないでね。可愛いから許すけど。ほら、炭治郎さん固まってる。

『あ、ねぇ炭治郎さん…この間のは妹さん？何かおかしな雰囲気を放っていたけれど…』

炭治郎「禰豆子は俺の妹です!…今は、鬼ですが」

『鬼』

反射的に日輪刀を構えると、炭治郎さんが慌てふためいた。

炭治郎「あああ!!禰豆子は人を食べませんから！それに、柱の皆様や御館様の許可は降りています!」

『御館様の？…じゃあ大丈夫ね』

日輪刀を収めると、後ろから可愛らしい足音が聞こえてきた。
そして…

禰豆子「むー!!」

『わっ!!』

ドサッ!!

炭治郎「あああ！禰豆子おおおおおお!!!!」

幼い女の子と馬乗りになる状態で倒れ込んだ。にしても腕力あるな。踏ん張れなかった。

『あ、君もしかして妹の禰豆子ちゃん!?』

禰豆子「むー!!」

『かっわい～！』

禰豆子ちゃんの頭を優しく撫でる。

ボロッ…

『え!?』

炭治郎「ね、禰豆子!?」

だけど、禰豆子ちゃんはボロボロと涙を流し始めた。止まらない涙に私と炭治郎さんも驚きを隠せなかった。

『いっ、一体どうし…』

禰豆子「むー!!んー!!」

『んええ…ど、どうしたのお？』

何が何だか分からないまま、薬を貰って帰った。
屋敷に帰ると、良いタイミングで雨が降り出す。今は夏の初めと言うこともあり梅雨の時期だった。