梅雨の終わりに愛を唄う【壱】 (ページ19)

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拾捌ページ19

足が震える。
死ぬ前兆と言えば大袈裟だろう。
思い過ごしだと心の中で嘲笑うと
今度こそ立ち上がろうと力を入れ
た。

『よいしょ…ほおら立てた！やっぱり思い過ごしね！』

ｶﾞｸﾝｯ

『…………駄目だ…立てないよ』

時透様が帰ってくる前には立ち上がらなきゃと踏ん張るが駄目だった。出来たと思ってもまた力が抜ける。

雷「思イ過ゴシダ…疲労ダロ」

『だ、だよね～笑あはは…』

辺りが暗くなり初めて来た頃、あまりの時間立てないため、不安は募りに募った。

『くっ…立てない!!雷、柱合会議はもう終わったかな』

雷「ダロウナ…ドウスル？」

『どうするって……』

月明かりが照らす庭。

無一郎「なに座り込んでるの？」

『!!時透様…その…立てなくて』

無一郎「なんで？」

若干驚いている時透様に経緯を説明した。

『いきなり力が入らなくなってしまって…疲労だと思うのでお気になさらz！』

突然身体が宙に浮いたと思ったが、姫抱きされていた。

無一郎「直弟子を見捨てる程腐ってないから」

すました顔でそう言うとスタスタと部屋に運んでくれた。
畳の上に下ろし、触診する。

『あの…』

無一郎「黙って、気が散る」

『はい』

しばらくすると、目がバチッと合った。気まづくなって逸らしてしまう。

無一郎「なんで逸らすの…A、足の力抜いて」

『え？』

無一郎「筋肉が紅潮してる」

立てなかったのは力が入らなかったからじゃなくて筋肉が紅潮してたからか!!人騒がせな←(他人事)