拾陸 ページ17
街に近付いてくると、
沢山の人達が逃げ惑っていた。
少女「お姉ちゃん!!助けて!!鬼にお兄ちゃんが!!」
『分かってるよ…今、助けてあげる!!』
日輪刀を構えると、鞘から刀を出す。目の前には赤く血に染まった男の鬼。三ツ目だ。
隊士「か、霞柱様!!甲様!!泣」
無一郎「君達は下がってて…足でまとい」
隊士「ｯ、は、はい…」
見たところ鬼には自我がない。きっと重度の飢餓状態。
だからか一般人を捕まえては口に入れていた。
遊郭「きゃああああ!!助けてえええええ!!」
ザンッ!!
遊郭を捕まえた鬼の手を斬り落とす。再生する前に倒さなければ…。
無一郎「A、君が倒して…呼吸を使うんだ」
『ｯ、はい！』
鬼を目の前にするとやっぱり怖いけど、私は落ち着いて呼吸を使った。
『ふー……霞の呼吸伍ノ型、霞雲の海』
鬼「ぎゃあああああああああ!!!!!!」
高速で繰り出す細かい斬撃を一面に覆うように相手に錯覚させる技。鬼の首が反対側に落ちる
無一郎「よく出来たね」
『やった…ありがとうございます!!』
周りから安堵の声と喜びの声が聞こえる中、私はふと、ある人物に目が止まった。
『赤い目……』
無一郎「え？」
『ぁ、ぃ、いえ！』
縁起が良いとされる赤い髪の毛に赤い瞳をもった隊服姿の男の子がこちらをジッと見つめていた。隣には竹を咥えた同い年くらいの女の子が立っている。
『(あの女の子…雰囲気が違う…)』
無一郎「A」
近付こうと足の方向を変えた時、時透様に呼ばれた。
無一郎「帰るよ」
『はい！』
結局話しを聞けないままその場を離れた。
(あの子…明らかに違う雰囲気を放っていた…まるで、鬼……)
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作者名：見習い小説家 | 作成日時：2023年7月12日 12時
