拾伍 ページ16
愛されてる…私が？
『ど、どうして…』
蜜璃「んー…自分の継子に印になる物を渡すのは当たり前だけど…だいたいみんな髪飾りとか羽織りなのよね…しのぶちゃんは蝶の髪飾りで、私は羽織りを頂いたわ」
『そうなんですね…リボン…』
蜜璃「しかもそれって、無一郎くんの髪色よね…素敵だわ」
『…んふふ』
なんだか妙に嬉しくなってリボンを抱きしめた。と、部屋の襖が静かに開く。
無一郎「甘露寺さん」
蜜璃「あ…」
時透様に見つかってしまった。リボンをすぐに結び直す。
蜜璃「ごめんなさいね無一郎くん!女の子の継子をとったって聞いて会いたくなっちゃって」
無一郎「別に良いよ。A、話しが終わったらお風呂に入って来るといいよ」
『は、はい!ありがとうございます!』
しばらくして、寝巻きと櫛を持ってお風呂に向かった。
『ぁ、蝶…』
目の前に1匹の蝶。手に止まった蝶の綺麗な紫色の羽根を触ろうとすると飛んでいってしまった。
『…ｯ寒っ』
足早にお風呂場まで行って、暖かいお湯に浸かった。リボンで結んだ髪はお団子に結い上げていた。
『暖か〜い…』
しばらく浸かって、部屋に戻ると既に布団が敷いてあった。
その日はすぐに眠る事が出来た。
雷「デンレイ！デンレイ！」
深夜、久しぶりの出動要請。心地良かった眠りから目覚める。場所は北の街。鬼殺一般隊士が手に負えない鬼がいるらしい。なんでも子供ばかり攫って捕食しているのだとか。
『時透様』
無一郎「足でまといにならないでね。大丈夫だと思うけど」
お揃いの日輪刀を持って駆け出す。日輪刀がお揃いなのは元々であり、時透様に出会ってからお揃いだと気付いた。
風になびくリボンが月明かりに照らされていた。
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作者名：見習い小説家 | 作成日時：2023年7月12日 12時
