梅雨の終わりに愛を唄う【壱】 (ページ12)

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拾壱ページ12

次の日。

陰「甲様、時透邸からお手紙が届きました」

『え？時透様から？』

陰から手紙を受け取ると、丁寧に開けた。封の切れ端は布団の上に置く。

Aへ

あの後、身体の具合はどうかな。まぁ、どうでも良いけど…。
しのぶさんに詳しく話しを聞くといいよ。
さて、本題に入るけどその前に、今日、時透邸に来てくれないかな。今後について御館様と話し合った結果を君に言わなくちゃならないからね。
それじゃあ、お大事に。

『……御館様と話し合った結果…？』

疑問に思いながらも紙を封に入れると、丁寧に懐にしまった。
それと同時に、医務室の戸が開く。

胡蝶「あら、お早いお目覚めですね」

「蟲柱様」

胡蝶「さ、薬の時間です…いいですか!!昨晩のように苦いからと言って吐き出さないで下さいね!!」

『はい!!』

我慢して苦い薬液を飲み干す。
に、苦あああああああ…。

『ぅぇぇぇぇ…』

胡蝶「我慢です！我慢！」

『は、はぃぃぃぃぃ…』

その後、蟲柱様の診断により外出許可が出た。
昼駒を済ませると、隊服と緑桜模様の羽織を着て、新しく出来た日輪刀を持って、時透邸からの使いである陰と一緒に向かった。

※漫画やアニメでは「無一郎邸」になっていますが、ここでは「時透邸」とさせて頂きます。