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「…ほんで?アンタはこの後どうすんの?」

「今から東京に帰るとなると、ちょっと時間的に遅くなるし。予約してたホテルに一泊泊まって、明日の午前中に帰ろうかな。お土産も買いたいし」


時刻はもう7:00過ぎ。

お腹もすいたので、そろそろホテルに戻りたい。


「ほんなら俺も、そこに泊まるわ」

「え゛」


――え?いや、何で?

貴方京都校の人ですよね?

私と違って京都在住なんだから、

別に今から帰ってもそんな大した時間にはならないでしょ。


「…何か文句でもあんの?」

「イエ、ベツニソノヨウナコトハ…」


何で一緒のホテルにするのだとか、

ちょっと一人でゆっくりしたいんだけどとか、

言いたいことはたくさんあったけど、

また面倒な言い争いになりそうだったのでやめた。





――結局、部屋まで隣同士だった。これぞ権力乱用。

「はぁ。…そろそろご飯の時間だってさ、えーと、禪院君?」

ご飯の時間まで寝ると言っていた彼を起こす係を、

現在私は行わさせられている。


はぁ、何が楽しくて、こんな使用人みたいなことを

私がしなくちゃならないんだ。



それにしても禪院君って呼びにくいな。

ぜんいんくん。ん、が多すぎて舌嚙みそう。


「ん、おおきに。…あと、直哉でええよ」

なんか急に距離感近くなったな!?

前までは、私が傍に歩いているというだけで、

憎悪に満ちた目をしていたというのに。



軽く治療したことで、懐かれちゃったのかな。

…しなけりゃ良かったかも。



そもそも、男子を下の名前で呼ぶことに、

割と抵抗があるわけで。

もちろん湊君は別。あの人は特別。




「…じゃあ、(なお)って呼ぶ」

それだったら、まだ女の子の名前っぽいし、

そこまで抵抗はないし、

2文字で呼びやすいので一石二鳥。




それから彼は終始ご機嫌で、

逆に裏があるんじゃないかと疑ってしまうほどだった。



1人でゆっくりと過ごす一日は犠牲になったけど、

お土産も買えたし、それはそれで良しとする。



帰りの新幹線に乗る前に、

軽く手を振れば、その手首を掴まれて、

思い切り引き寄せられ、耳に何事かを囁く。


「――――え」

「ほな、さいなら」

今度こそ直は、踵を返して、行ってしまって。


ぼんやりとしたまま、新幹線に乗り込んだ。

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白音 - すっごく面白い!!更新、楽しみにしています!! (11月19日 17時) (レス) id: 24b42eab7f (このIDを非表示/違反報告)
ゆきのふ(プロフ) - さくらのきういさん» いえいえ、全然同担拒否とかじゃないです、むしろ好きなものを共有することができる人がいるって凄く素敵で嬉しいことですよ!!ですよね、エヴァ自体、ストーリーを良く知っている人がそんなにいないんですよね…。この作品を好きだと言っていただき、嬉しいです!! (2021年6月28日 7時) (レス) id: c629cc7e2d (このIDを非表示/違反報告)
さくらのきうい - カヲル君カッコいいですよねー。学校で話しても誰も知らなくって。あっ同担拒否とかじゃないですか?そうだったらごめんなさい。この作品すごく好きです!応援しています! (2021年6月26日 9時) (レス) id: 65d75c56ec (このIDを非表示/違反報告)
ゆきのふ(プロフ) - リリさん» 好きすぎるだなんて…照れます(*´ω`)面白いと言って下さり光栄です、ありがとうございます!! (2021年5月29日 21時) (レス) id: c629cc7e2d (このIDを非表示/違反報告)
ゆきのふ(プロフ) - 赤ちゃんさん» マジですか!?良いかもですか!? (2021年5月29日 21時) (レス) id: c629cc7e2d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆきのふ x他1人 | 作成日時:2021年1月19日 13時

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