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少し肌寒い気温に目が覚めて傍にクザンが居ないことに気付く。一体何処に行ったのやら…。
そう思いながらAはのそりと起き上がり立ち上がって重い瞼を上げる。ふらりと一歩足を踏み出し探そうとしたら、突然視界が暗くなる。
驚くが一瞬だけ見えた片手の手袋、探していた彼だと分かった。
「…おはよう、クザン。どうしたの？こんな朝早くに」
「アンタに見せたいものがあんのさ。このまま着いてきてくれ」
「お気に入りの景色に連れて行ってくれるの？」
「んー…そうだな、まあ。そんなとこだ」
そんな会話を交わしながら暫く進んでいた足を止めた。…少々、寒さが増したがこれは冷気だろうかとAはぼんやり考えていた。
目的地に到着したのかそっと塞がれていた視界を解放され、ゆっくりと目を開ける。
「…う、わぁ…なにこれ…？！」
「こういう場所もあってな、ちょっと準備してたんだよ。…どうだ？氷のウェディングアーチ」
「そ、それどころか此処の一帯が氷でまるで銀世界…氷の国みたいな場所に居る感覚がするわ」
「錆びれて古びちまったものも、こうやって氷結させてコーティングしちまえば見栄え良いだろ。ところで…俺達ってなかなか忙しかったじゃない？遅くなっちまったがA…俺ァお前に言いたいことがある」
重大そうなその場の雰囲気にAは息を呑む。
相手の言いたいことは分かっていてもこういうのは緊張してしまう。
「お前のこれからを貰いてェのよ、生涯ずっとお前だけを愛す。……A、俺と結婚してくれ」
「…はい、クザンなら喜んで。私もクザンと共に生きていきたい」
そう、プロポーズだ。
もう夫婦な気がするが彼は正式的な形でなりたかったらしい。プロポーズも出来なかったし、挙式も上げていないことが恐らくずっと彼にとっては気にしていた事だったのだろう。
深く息を吐いて安堵している様子のクザンを見てAはつい笑ってしまったが、凍るアーチに施されていた凍っている草花。こういう所はセンスあるなとAは感心する。
「２人しか居ないがまァ、良いよな。誓いの言葉なんてさっきの返事で十分だし」
「そういう所は適当なのね？ふふ、クザンらしいけれど」
「仕方ないじゃないの、役が居ないんだから。…愛してるA、永遠に死ぬまでずっと」
「私も愛してる、クザン。どんな道を行こうと私は一生愛し続ける。…離したりしたら承知しないわよ？」
あらら俺がそんな馬鹿なことするわけねェから、とアーチの下で笑っていた。
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零猫(作者1)(プロフ) - ねむさん» 有難う御座います！師走で何かと忙しいですが、またチマチマ頑張っていきます！ (2022年12月10日 12時) (
レス) id: 909ea21d0e (このIDを非表示/違反報告)
ねむ - 次の更新も楽しみにしています！ (2022年11月29日 9時) (レス) id: 5d4dcca220 (このIDを非表示/違反報告)
零猫(作者1)(プロフ) - 碧.さん» その言葉で大変頑張れます！( ᷇࿀ ᷆ )貴方の勇気が私の活力になりましたので、またお話が思い浮かんだら更新していきます！！( 'ω') (2022年11月6日 23時) (レス) id: f107f7bb54 (このIDを非表示/違反報告)
碧. - 何時も楽しく読ませて頂いております！ずっとコメントしたかったのですが勇気がでず今日やっとコメントが出来ました(❁ᴗ͈ˬᴗ͈)旧三代将もウタも大好きなのでこれからも更新楽しみにしています！ (2022年11月5日 23時) (レス) id: 7eb027a135 (このIDを非表示/違反報告)
ねむ - 零猫(作者1)さん» 新しく更新されたのも最高でした！ありがとうございます！ (2022年10月22日 17時) (レス) @page20 id: 8adf995a6d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：零猫(作者1) | 作成日時：2022年10月15日 18時
