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○ ページ11
Ren Side
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「世界で一番幸せになって」
「蓮くんのおかげで私、すごく幸せだった 」
たまたま聞こえたAの声に、
Aの想いに
気づけば俺の頬には涙が伝っていて。
「 目黒、」
俺の存在に気づいた深澤くんが
切なげに笑った。
.
「 聞いてた....？」
『 はいっ。』
「愛ってさ、会ってる時間よりも会えない時間に生まれたり育ったりするもんだと思うんだよ、俺。」
『.....はい、』
「そんな大切な愛を、なかったことにするなよ。」
その言葉に胸がギュッと締め付けられた。
.
あの頃手放したちっぽけな幸せは、
今となっては苦しいくらい幸せで切なくて、
バカで若かった自分を恨むしかない
そんな今が、堪らなく虚しい。
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作者名：メグろん | 作成日時：2020年4月10日 8時
