太陽と月と紅い星 2 (ページ33)

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Ⅰ ページ33

『お待たせしました』

なずな「ん、お疲れさま。このまま飯食って帰るか」

『ESの食堂使います？』

なずな「普通にファミレス行きたい」

当然のように私の手を握ったり、車道側を歩くなずなさんに今でもときめくのは惚れた弱みだからだろうか。

なずな「あいつら、元気？」

『元気ですよ』

なずな「そっか、なら良かった」

ALKALOIDとCrazy:Bの騒動も収まって、大分落ち着いてきたES内。あんずさん同様、この２つのユニットには接近しないように上からの指示があったので関わることは難しかった。その分創や友也、満がアルバイトやプライベートであったことを報告してくれたので大体のユニット像は掴めた。

なずな「あいつらのこと、任せちゃってごめんな？」

『いえ、皆になずなさんの様子を聞かれたりするので』

なずな「まじか。まぁおれも皆のこと聞くもんな」

『それでおあいこですね』

実は同棲を始めた私たち。両親が海外で数年くらい帰ってこないらしいので私の家で暮らすことになった。

『大学は、どうですか？』

なずな「んー？まぁ、面白いよ」

『私もそろそろ進路決めないと行けないんですかね』

なずな「Aのやりたいことをすれば良いよ。……ほら、あの店まで競争な！」

握っていた手をするりと離して駆け出すなずなさんを慌てて追いかけた。