【シリアス松】ネガイゴト

日常はどこへ ページ5

ちび太)悩み事ぉ？


深刻な顔をしていたおそ松は真実は話さなかった。


おそ松)ちび太…おでん頂戴

椅子に座っていたおそ松はちび太の質問を返さずに暗い声で呟いた


ちび太)バーロー、さっきチョロ松が買い物行ってたぞ？今夜は鍋だって嬉しそうに帰って行きやがった
はやく家に帰れってやんでぇ！

おそ松)え…？

ガタッ！と席を立ち上がり、来た時よりもより深刻な顔をして走り出した


ちび太)な…なんだぁ？


ちび太は走り去るおそ松を見つめていた









おそ松)(思い…だした……！！)


鍋…フグ…毒……！！

そうだ。俺は……！！



未来を変えるために……！！

繰り返していたんだ、この日々を…！！



やけに長く感じた扶養生活も
鍋を見て吐き気を覚えたのも
見たこともない景色がみえたのも


全部、自分の記憶…

繰り返してきた日々…


また…また弟達が死んでしまう……！！



無我夢中に走るおそ松。
その角を曲がれば家のある通りにでる



目の前にいる人を避けながら、家に向かうおそ松。



？？？)な？いつも間に合わない…




その言葉にピタッと止まり、振り返るおそ松


おそ松)お前は…あの時の……！！


いつか出会った占い師が立っていた


おそ松)お前…誰なんだよ…
繰り返す世界に来てから、お前は絶対俺の前に現れる…


息切れを苦しむ間もなく話を続ける


繰り返す度に出会う占い師。
何度も…何度も……

フードを深く被り、繰り返した世界のどこかで必ず出会う。


おそ松)知ってるのか…？

占い師)？

おそ松)未来の…変え方……

おそ松は震えた声で占い師に尋ねた。
占い師はフッと笑い


占い師)言ったでしょう。
あなたの人生に転機が訪れるって…

おそ松)……？！

占い師)運命というものはそう簡単には変えられない…5人が死に、1人が生き延びた。
この運命を変えたいのならば、犠牲なしには変えられない。

おそ松)……俺が犠牲になれば…アイツらは…弟達は助かるのか……？


その質問に占い師は黙ってしまった。
しばらく沈黙が続き、占い師はこう答えた。

占い師)その必要は……ない。


と。


おそ松)……？！
デカパン博士が言ってたんだ！
未来を変えるまで、元の時代の歯車に戻ることは出来ないって……
だから…俺が死ねば……！！



そうだ、俺は……





おそ松の中のすべての記憶が重なった。

繰り返しの真実→←狂った世界で…

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