伍拾玖 ページ10
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ついに最終日となった。跳んで移動していると先に剣士ちゃんがいた。動きが鈍いのが目立つ……どうやら集中力が切れつつあるのだろう。
最終日だし、当然といえば当然なのかもしれない。あの子はまだ助けていない。助けよう。
「え、えと……ありがとう、ございます……」
『………(返事できなくてごめんね、剣士ちゃん。あと少しだから、どうか突破しておいで。)』
軽く地面を蹴って高く飛び、木の上に着地した。真菰を探さないと。お願い、手鬼と遭遇しないで。
あの手鬼はきっと原作通りに炭治郎が斬ってくれるはずだから。たとえ遭遇したとしても、挑発に乗らないでほしい。
「水の呼吸 陸ノ型 ねじれ渦____」
『いた……っ……!
(遠目で見た感じ、鬼は手鬼ではなさそうだ。……よかった。____!!?)』
少し遠くから、変な気配を感じた。いや、この気配を私は知っている。絶対にあの手鬼だ。……こっちに来てる!!?さあどうする____
「?……何だか嫌な感じがする。早くここから離れよう。」
『!!』
「生きて、鱗滝さんや錆兎たちの元に帰るんだ____」
真菰が素早くここから離れて行く。……ああ、よかったあ。きっと、きっともう真菰は大丈夫だろう。
真菰の近くにずっといるわけにもいかない。他の剣士たちの様子も見なければ。
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作者名:愛 | 作成日時:2023年5月25日 18時