捌拾陸 ページ37
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”パァン!!”と木刀同士がぶつかり合う音が響いた。呼吸をまだ習得してないとはいえ、意外と速さはある。うん、桑島さんの言う通り見込みはあるようだ。
『………(そろそろ私も動こうかな。)』
「!!?(この女速……)」
『獪岳君、もっと動きを見ないとやられちゃうよ。でも、いい速さしてるね。』
「うるせ、……!!(なんで息切れしてねえんだよ……っ。)」
杏寿郎とは違って手は抜いてるけど、もう終わりにした方がいいかな?桑島さんを見ると、獪岳の動きを見ていた。もう少し付き合おうかな。
『獪岳君、最初の時より遅くなってるよ。配分を考えない……と。』
「クソ……!!」
『(ちょっと前に出過ぎてたな。気をつけよう。)
……さて、はい。終わり。』
「っ……」
”そこまで”と桑島さんが終了の言葉を発した。桑島さんに獪岳はどうだと聞かれて少し考え込む。
『最初の時の速さはよかったです。まだ体力が付いてないのか、時間が経つと速さが落ちてきているので、もう少し走り込みさせた方がよろしいかと。
相手の裏をかければもっと動きが良くなるかなと思いました。………すみません、偉そうに……』
「いや、素直にそう言ってもらった方が獪岳の為になる。Aの動きは鳳華に似ていたぞ。じゃが、反省があるとするなら、前に出過ぎじゃ。
初動作に少し迷いがあった。相手の動きを見るのは良いが、十二鬼月相手では殺られてしまうぞ。」
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作者名:愛 | 作成日時:2023年5月25日 18時