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陸拾弐 ページ13

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「こちらの桜の着物はどうですか!?」


「藤の花模様もございますよ!」


「他にも色々ございます!どうされますか?」


『あ、イヤ………エト……』



助けて、本気で助けて誰か。七花に助けてと目線を送るが、目を逸らされていた。くっそ、それでも私の鎹鴉なのか……っ!!?

どうしよう。色々ありすぎて困る。というか私にファッション力皆無だからナ……自分で言ってて悲しいわ。



『……あの、蓮の着物がいいなあ……な、なんて……』


「「「お任せ下さい!!」」」


『ど、どうも……』



息ピッタリだなお姉さん方。そんなことを思っていると、すぐに着物を持って戻って来た。いや早くない???

あれよこれよと着替えられ、化粧までされた。お姉さん方女子力高いね……切実に一割ほどでいいのでくれませんか?



「まあ、可愛らしい!!」


「少し大人っぽくなりましたよ!!」


『………わあ(白目)』



見てびっくり。自分ではないみたいに大人っぽくなっていました。現代の時より顔立ちがよくなってたからそれもあるのかもしれない。

それにしても化粧上手くない???本当にもう尊敬しますはい。



「ではいってらっしゃいませー!!」


『あ、ありがとうございました……!!』



背中をぐいぐいと押されて、外へと出た。”大変ダナ”と言いながら、七花は肩に乗った。慰めるなら最初から助けてくれませんかね?

陸拾参→←陸拾壱



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作者名: | 作成日時:2023年5月25日 18時

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