陸拾壱 ページ12
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あまね様を産屋敷邸に送っていると、屋敷の前にはお館様がいらっしゃっていた。
『お館様…!!』
「おかえり、あまね。Aも最終選別の監視ありがとう。」
『ご無沙汰しております。お役に立てることができ光栄です。お体にお変わりはありませんか?』
咄嗟にお館様の前で地面に膝をつけた。”Aのお陰で前と変わらず調子がいいよ。ありがとう。”とお館様は返してくださった。
伍ノ型の効果がしっかり出ているようで安心した。
「今日と明日はゆっくり休んでおいで。」
『はい。では失礼致します。』
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『………暇だ。ねえ七花。』
「任務ハナイカラナ。」
『う、わ、わかってるよ……』
どうしよう。ゆっくり休んでね、とは言われたものの……やることがないのはそれはそれで困るというものだ。
真菰も間接的にとはいえ救済できたから、少しの間は安心できる。
「コノ近クニ街ガアル。ソコニ行クノハドウダ?」
『え、そうなの?じゃあ行こうかな。』
「ダ、ソウダ。」
『え?』
”誰に言ってるの?”と七花に言おうとした時、襖が思いっきり開いた。いやいや、突然のことすぎて吃驚なんだけど。
「よろしければうちのお召し物を着て行かれませんか?」
「せっかく可愛らしい顔立ちをしていらっしゃるのですから、少しくらい着飾りましょう!」
この後私が出した答えはなんだと思いますか?答えは勿論、”………ハイ。”でした。このお姉さん方の圧がですね。とても凄かったんですよ。断れるわけないじゃん(白目)
因みに七花も困惑してました。……ですよね。
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作者名:愛 | 作成日時:2023年5月25日 18時