【鬼滅の刃】転生したら既に原作が壊れていた件弐 (ページ2)

今日:50 hit、昨日:22 hit、合計:73,596 hit

伍拾壱ページ2

.

「では木刀を持ちなさい。〝お日様〟が来る数十分前までしか指導しないからね。」

「！！はい！……ふふ、〝お日様〟とお呼びするのはとても珍しいですね。」

女性は普段、女子が〝お日様〟と呼んでいる人物を〝お日様〟とは呼ばない。女性とお日様は親しい関係のため、対等な呼び方をしている。

「〝色(ｲﾛ)〟貴方が私(わたくし)の呼吸を習得したいと言ってくれるのはとても嬉しいわ。どうやら私の呼吸は私の血を引く者にしか(・・・・・・・・・・)、習得できないようだから。」

「色は必ず、ご期待に応えてみせます。たとえこの呼吸が使えなくとも、色の合った呼吸で。」

どうやら女子の一人称は師を真似していたようだ。本来は〝色〟と自身の名前で呼んでいる。師を憧れている故のことだろう。

「貴方の私の呼吸への想いは分かっているつもりよ。その想いを捨て、派生しようと決断するのは酷なことかもしれないけれど……楽しみにしてる。」

女性の嘘偽りのない、素直な言葉に女子はお日様にも負けない笑みを浮かべた。

とても、心地よい場所。強い意志を、心を持っている女の子。純粋無垢で、汚れることを知らない笑顔。愛をこの上なくいただいているからこそ、伝えられる気持ち。もう少し、もう少しだけ……此処に、この夢を見たい(にいたい)。