【IFルート】7話以降IF明日人さん (ページ10)

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「ボール行ったぞ！」
「ナイシュー！」
「もっと強さ変えたがいいな…」
「いいぞー！もう一本こい！」

練習場でやることは変わらない
それぞれがスキルを上げたり苦手を克服したり新しい戦略を練る
より上を目指すだけだ
俺自身もシュート精度を上げたりキレの良いパスを出すことに熱を入れていた
のだが

「おーおーどうした全然タイミンク合わねーじゃねぇか」
横から声が飛ぶ
「るせぇ… てめーも見てねーで何かやれ」
「俺シュート技の練習する必要ねーからな、新技の練習しに来てやったんだろ」
「頼んでねーし、つかなにが来てやっただ」
「灰崎クンが1人で寂しそうだと思って来てやったんだよ」
「…余計なお世話だ。」
「んだよ今日全然張り合いがねぇな…」
そう言って駆け足で基山の元へ戻って行った

なんだあいつ…遊びに来たのか…

もう何本か打てば調子も戻るはずだ
俺はボールを蹴り上げた
「よっと…」
「あ不動てめぇ！」
横からボール取られる
なんなんだ今日はやけに絡んできやがる
「俺ペアだった稲森が居なくてパス練出来てねーんだわ」
「知るか。壁とやってろ」
「冷たいねぇ… 」
そう言いながら俺のボールで勝手にリフティングを始めやがった

「返せ、取りに行くの面倒なんだよ」

「…」
「…なんだ急に黙りやがって」

不動はリフティングをしながら時折俺の目を見る、なんなんだこいつ何がしたい
「…ふーん… お前今

必死で逃げてんだな」

不動はリフティングを止めた
ほらよとボールを俺の足元に蹴る
俺はそれを踏みつけた

「…どういう意味だ」
「俺に聞くのか？」
口元に笑みを浮かべ酷く楽しそうに俺を見る

「…」
その目に俺は居心地が悪くなって背を向ける
「お前らについてとやかく言う気はねーよ。だが、気が向いたら協力してやってもいいぜ」
(協力？排除のことか
もう…おせーよ)
俺はそのまま反対側へ駆け出した

…
「青春、してるねぇ…」
遠のく背中を見ながら呟く

(けどな、早くしねーと本当に取り返しがつかなくなっちまうぞ)

「あのいい子ちゃんは良くも悪くも円堂とは違う真っ直ぐだ。
道の途中で唆されて間違った方に行っちまう前に気づかなかったら…

後悔するだろうな、悪魔さんよ」