崩壊の音が聞こえたんだ ページ5
ゼロくんが卒業して暫くたつと、ぱったりと連絡が途絶えた時期があった。
私だって警察を目指している身。それがどういうことか、なんとなく察しはついた。
ゼロくんはその優秀さ故に公安へ配属されたのだろう。
ならば私もと、必死に努力した。
その結果私が配属されたのは警察庁公安部
私を含めた新人の前に現れたのは、最後にあったときよりもほんの少し大人びたゼロくんだった。
ゼロくんは仕事に関しては例え恋人でも甘やかさず厳しく指導してくれた。
でも仕事が終わり2人きりになればこれ以上ないほどに甘やかしてくれるし、
体術の訓練も、ゼロくんに指導してもらったときに掠り傷1つできようものなら、後から泣きそうな顔して謝られる。
真面目で愛国心が強くて、でも私の事になると甘々になるゼロくんが大好きだった。
きっと気が緩んでいたのだろう。だからあの日も徹夜続きとはいえオフィスでうたた寝をしてしまったんだ。
あの日寝てしまったことを酷く後悔した。
「ジン……」
たった一言の寝言が、私とゼロくんの未来を狂わせたんだ。
9人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:アイリス | 作成日時:2020年8月11日 11時