出張任務 ページ3
「東都の米花町…」
乱歩「そ!美咲は僕の助手が務まるくらい頭もいいし、何よりその町に詳しいでしょ?」
武装探偵社の事務所に、どこか不安げな雰囲気が流れていた。
社員である神崎美咲の手には、米花町での任務に関する依頼書が握られていた。
国木田「ら、乱歩さんそれは…。確かに神崎さんは優秀な調査員ですが、米花町は…。」
普段なら積極的に仕事を勧める国木田からは考えられない言動に、新人探偵の中島敦は目を丸くした。
国木田「神崎さんが探偵社に来た経緯は乱歩さんも知ってるはず。なのに何故…。」
乱歩「それは簡単なことさ。もう身を隠す理由がないからね。」
その言葉に、ピクリと美咲が反応する。
乱歩「もう奴らは君の捜索を諦めてるはずだよ。」
何が何だかわからない敦に太宰がそっと耳打ちをした。
太宰「美咲さんは君と同じで、追われる身の人間だったんだよ。」
敦「追われるって、もしかしてポートマフィアですか!?」
太宰「否、彼女が追われていたのは…公安警察だよ。」
敦が静かに息を飲むのを太宰は聞き逃さなかったが、すぐに弁明を入れる。
美咲は犯罪を犯して公安に追われているわけではないのだ。
太宰「皮肉なことに、彼女の命を狙っているのはかつての仲間…美咲さんは武装探偵社に来る前は公安の警察官だったのだよ。」
国木田「おい太宰、あまり軽々しく神崎さんの過去を口にするな。」
美咲の過去を詳しく知っている者は、米花町の任務に顔を曇らせている。
敦「あの、どうして美咲さんは公安に追われてるんですか?美咲さんも元は公安だったたならなんで…」
「……それは私から話すよ、敦君。」
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作者名:アイリス | 作成日時:2020年8月11日 11時