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第1話 ページ1

-主人公-

紫水(しすい) A

・高校3年生
・志麻リス。古参。
・twitterでは"しいな"という名前を使っている。


-----------------------------------


you side

『ただいまー』

…普段はおかえり、という声が聞こえてくるのに。


…変わりに聞こえてきたのは、母の怒りを含んだ声。

「なんなの!?これ!」


その声は2階から聞こえてくる。

ふと、最悪な事態が脳裏を過った。

もしこのことが起きたら…私はどうすればいいんだろう…


いや、そんなはずがない。"最悪な事態"が起こるわけが、ない…

今まで、何年間も隠し通してきたんだから――。


大丈夫、そう思っていても、自分の部屋に近づくほど、その声は大きくなっていく。

声が大きくなっていく為か、嫌な気持ち、憂鬱な気持ちは増していく。
嫌だよ…普段から嫌なことばっかりなのに。


コンコン――


と、自分の部屋の扉をノックした。

『お、お母さん…』


返答は無し。

正直、こうやって大きな声を出している中、私の声が聞こえているとは思えない。

しょうがない。自分で開けるしかない。

そう思い、扉を開けた途端。



ビリッ…



何か刃物で、私の持っていたライブTシャツや法被が裂かれた。


私は、ショックで声すら出なかった。

部屋を見渡せば、壊された缶バッジやキーホルダー。


もうすでに、ごみ袋の中に入れられているものもあった。



普段から嫌なことばっかりなのに。志麻さん…推しがいるから頑張ってこれたのに。

「あら。A。」

私を見つけた母。じりじりと近寄ってくる。



ねぇ。やめてよ。嫌だよ。


私、怒られるのは大嫌いなんだ。


どうして。何がいけないの?


と心の中でイライラが募っていく。


「ねぇ。これは何?」


ほら。やっぱりこう言うんでしょ?怒られるんでしょ?

もう、母の言うことなんて予想がついてしまう。だから、余計に嫌になるんだ。自分だって。母だって。


『それは…私の大切なグッズだよ。』

"大切"という単語を強調して、正直に言った。

しかし、母は――私の気持ちなんて分かってもらえず。

「へぇ…こんな物が。大切なの。」

そう言った。

こんな物…?何?お母さんの意見が正しい訳?

自分の意見で押し通そうとしないでよ。

またイライラしてきた。反抗期のようでなんだか笑えてしまうが――母がこのようだと、私の態度もどうしようもない。


.

第2話→



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ちょこ - とてもよかったです!その後話が欲しい! (2021年11月18日 19時) (レス) @page40 id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
玲華(プロフ) - 蜜柑さん» ありがとうございます!そうだったんですか!?嬉しいです…本当にありがとうございます…! (2020年7月13日 17時) (レス) id: 3ea7e362ea (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑(プロフ) - 完結おめでとうございます!この作品、最近見た作品で1番好きで、更新楽しみにしておりました!これからも無理をなさらず、素敵な作品を作っていただきたいです!(`・ω・´)お疲れ様でした! (2020年7月12日 8時) (レス) id: e405411bb6 (このIDを非表示/違反報告)
玲華(プロフ) - きむちさん» ありがとうございます!そう思ってもらえて良かったです。更新頑張ります! (2020年5月5日 16時) (レス) id: 3ea7e362ea (このIDを非表示/違反報告)
きむち - 初コメ失礼致します。とても面白い?です!本当にこの物語の主人公になっている気分で楽しいです!これからも更新頑張ってください!陰ながら応援させていただきます!長文失礼しました! (2020年5月5日 14時) (レス) id: 72534f9fb8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:玲華 | 作成日時:2020年4月27日 17時

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