学園生活 ページ19
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久しぶりの教室。
懐かしい顔ぶれ。
言うほど来ていなかった訳ではないのに、何だか酷く昔の事の様に感じる。
それもこれも、全て聖杯戦争のせいであるが。
部屋に踏み込んだ瞬間に、同級生が一斉にこちらを振り向く。
一瞬の間の後、皆挨拶をしてくれる。
はっきりと言って、私は根暗である。
根暗ではないが、そういう風に装っている。
にも関わらず、私は変に目立っている。
定期的に欠席するためか、あるいはそれ以外か
いずれにせよ、意外と溶け込めているのだ。
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((……先程のギルガメッシュの表情……))
長ったらしい社会の説明を聞き流しながら、ふとギルガメッシュの事を考えた。
前田皐に見せた表情。
高揚でも、落胆でも、ましてや見惚れていた訳でもない。
強いて言うなら、"悟り"だった。
その女生徒の未来を知っているかのような、無の感情。
((……いや、本当にそうなのかもしれない……))
ギルガメッシュの持つ特殊スキル。
その中でも、千里眼は話に聞くモノとは次元の違うものだった。
現在のみならず未来までも見通す力。
一体その眼には、何が映っているのか。
特別な何かを持つことによる孤独感。
そういうものを、あの傲慢男でも覚えるのだろうか。
そっと自分の手のひらを見つめる。
時臣にも伝えていない、起源と言われるモノを
私は持っている。
その力のせいで、私の家庭は崩壊した。
故に二度と使わないと誓った代物がある。
ハッと外を見ながら息を吐く。
((……どこ行ったんだろうか、あの男。))
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本当にどこに行ったのだろうか、あの男。
少し微睡んでいるうちに、ギルガメッシュの気配は完全に消えていた。
昼休みになるまで気がつかなかった私も私だが。
((……どうしよう、完全なパスが繋がっている訳ではないから…場所を特定できない……))
気配遮断スキルを使っている訳ではないため、ぼんやり残気が漂っているのはわかる。
しかし現在地がわからない。
もし先程とは違い人前で霊体化を解かれたりしたら、全て水の泡だ。
昼食もそっちのけであちこち探し回る。
そもそも英雄王の思考がわからない以上あてなど無い。
やみくもに、ただやみくもに。
そして案外勘というものは役に立つ。
『……見つけた…!』
「……貴様か。」
ギルガメッシュがいたのは、学校の屋上、にあるタンクの上だった。
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カエデ - もう更新は絶望的かもしれませんが、いつまでもお待ちしております😭 (10月8日 14時) (レス) id: e7e0135c10 (このIDを非表示/違反報告)
指導者は白痴、かかってこいや当局 - まじかよ本当にいいとこで終わってんな、、、 (2021年8月26日 23時) (レス) id: 55ab4f5815 (このIDを非表示/違反報告)
Na Ryu(プロフ) - うそん!!?めっちゃ良いとこで終わってるー!! (2021年1月4日 9時) (レス) id: e0675e6765 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃちゃん(プロフ) - コメント失礼します。ギルガメッシュが好きでこの小説を読み始めました。続きがものすごく気になります!更新頑張ってください!! (2020年6月12日 17時) (レス) id: 5728e25ca4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめの - コメント失礼します^o^凄く面白いです!更新頑張って下さい!応援しています! (2020年4月21日 19時) (レス) id: a922e9fda4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:またたび | 作成日時:2016年6月19日 6時