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こうなったら、どうにかして彼に連絡をし何処まで知っているのか聞かなくては。そう思い立った自分はその連絡手段に就いてを考える。当てずっぽうにここだと場所を決めて探すのは骨が折れる作業だし、探偵を雇うとしても私にはお金と云う報酬を出す事が出来ない。ではどうすれば良いかと頭を抱えたその時である。机上に一つの紙切れが置かれている事を思い出した。
「そうだ、名刺！」
その存在に気が付いた私は急いで机の方へと移動し、朝方に置き直した名刺を取り上げて、更にはズボンのポケットに入れていた携帯を取り出す。そうしてから手汗で微量に濡れた名刺の裏側を見て、そこに記載されていた電話番号を携帯へと入力するのだ。耳元に携帯を当ててやがて鳴り始める着信音に緊張感を高めて行く。
『やあ』
「太宰さん、貴方は一体何処まで知っているのですか」
そうして丁度スリーコールが鳴った頃だろうか。コールがプツリと鳴り止んで、コールの代わりに出てきた電話の主に、私は半ば早口かつ震えた聲でそう聞いた。すると電話越しにクスクスと莫迦にした様な笑い聲が耳に入ったのだ。
『そうだね、それは君が私と心中の約束をしてくれるのならば教えてあげるよ』
「それは……」
つい吃る自分の聲。そんな私の聲に対して太宰さんは『ほら、矢っ張り決心がついてないじゃないか』と云った。私はそれに何も云えなくなって、遂に口を開く事が出来なくなってしまった。否、本当は決心がついていないのではない。この約束が唯の嘘になってしまう事が怖くて言い出せないだけなのだと自分に言い訳をする。そんな中でまた電話越しに太宰さんの聲が聞こえた。
『それとも君は決心がつけられないのでは無く、嘘つきだから答えられないのかな？』
私の言い訳を肯定する様な言葉を太宰は云った。私はそれにまた動揺するばかり。そうしてその動揺するままに口を開いたのだ。
「それさえ知っていたのですか」
『嘘つきな君には何も答えられないよ』
自分の握る携帯がカタカタと震えている感触が耳に迄伝わってきて気持ちが悪い。電話越しには尚も太宰さんの息遣いだけが聞こえた。
『唯ね、私が云ってる事は君と違って最初から嘘では無いんだ。全て本当の事なのさ』
彼の余裕そうな聲が耳元から伝わってきて私は少しばかり身震いした。そうして会話を聞いている中で、とある矛盾点を見つけるのだ。それを直ぐ様口に出す。
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夢希 道華(プロフ) - ゆかりさん» コメント下さってありがとうございます！そう言って頂けて、とても嬉しい限りです！占いツクールではもう投稿しない予定なのですが、お暇があれば後書きからサイトを覗いて見てやって下さい。それでは失礼致しますね！ (2018年5月6日 6時) (
レス) id: 9c1c1e423e (このIDを非表示/違反報告)
ゆかり(プロフ) - 本格的な小説みたいで良いですね！完結おめでとうございます！ (2018年5月5日 22時) (レス) id: e8168b3b40 (このIDを非表示/違反報告)
夢希 道華(プロフ) - 靴下さん» コメントありがとうございます。完結迄頑張って行く所存ですので、どうぞ最後まで宜しく御願い。 (2017年12月4日 14時) (レス) id: 9c1c1e423e (このIDを非表示/違反報告)
靴下 - 話の流れにわくわくさせられて、面白いです!!! (2017年12月3日 22時) (レス) id: a96084b98f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夢希道華 | 作成日時：2017年12月2日 15時
