約束39 ページ40
リケ「どうして。」
アーサー「おまえの世界で、おまえが絶望することがあった時に、どこにも行けなくなってしまうだろう。そこにしか学園がなければ。」
確かにそうだな
本当に何かあった時に外に助けを求められなくなっちゃうんだよね
リケ「…………。」
アーサー「学園はどこにでもある。いつか、誰かに捨てられたとしても、いつか、誰かが必要としてくれる。私たちはどこにいても、どんな風に過ごしていたとしても、自分次第で、幸せになれると知っていて。」
リケ「……自分次第……。」
『ええ。アーサーの言っている通りですよ。』
カイ「その通りだ。それにおまえに触れないと、おまえの顔が見られなくて困る。」
リケ「わっ……。もう、何度も頭を触らないでください。」
カイ「あはは！悪い、悪い。それでは、賢者様、アーサー様。出発しましょうか。」
アーサー「ああ。」
カチャン
カイ「このエレベーターで、北の国のタワーまで行きます。」
賢者様「エレベーターで国境を越えられるなんて便利ですね。」
カイ「マナ石のエネルギーで動いているんです。マナ石は魔力を宿した化石のようなものです。」
『マナ石はいろいろなものにエネルギーとして使われているんですよ。魔力が源力になっているものもありますから。』
リケ「オズが北の国のどちらにいるのか、みなさん、ご存知なのですか？」
アーサー「おそらく、北の国にあるオズ様の城にいらっしゃると思う。」
カイ「うまくたどり着けるかな。幾重にも幻術がかけられていて、城を見た者も少ないと聞いていますが。」
『んー…』
確かに私もこれだけ生きてきて数回しか見たことないんだよね
上手く隠してあるんだよなぁ
アーサー「私が案内する。」
リケ「行ったことがあるのですか？」
アーサーが賢者様の方を見た
確か賢者様はアーサーとオズの関係について少し知っていることがあるんだったよね
だからか
アーサー「私はそこで育ったのだ。」
─エレベーター内
アーサー「王子である私が生まれた時、国中の者たちが祝福してくれたそうだが、父上と母上は、あることを秘密にした。私が魔法使いとして生まれたことだ。中央の国は魔法使いを差別しないが、それでも、偏見は残っている。」
アーサー「次第に、私の正体が漏れて……。母上は父上をたぶらかした魔女ではないかと噂されてしまった。母上は気を病まれて……。私が四歳の頃、忠実な家臣に命じて、私をはるか遠い、北の国の山に捨てたのだ。」
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紅玲(プロフ) - 名無し23332号さん» そうなんですね！まだストーリーが進められていなくて知りませんでした。申し訳ございません (2020年12月15日 16時) (
レス) id: 0c22ce51b9 (このIDを非表示/違反報告)
名無し23332号(プロフ) - 魔法使いは男性だけではありませんよ。石になった前の南の魔法使いにはおばあちゃん魔女がいます。 (2020年12月15日 16時) (レス) id: 311417e1f6 (このIDを非表示/違反報告)
A(プロフ) - とても面白くて一気に読んでしまいました！無理せず更新頑張ってください、楽しみにしています！ (2020年10月29日 21時) (レス) id: d36a01234d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紅玲
| 作成日時：2020年10月18日 23時
