約束10 ページ11
シャ「ぶつかってきたのはそちらでしょう。しかも、正面から。」
カイ「え?」
シャ「二日酔いですか?」
カイ「いや、目の調子が悪くてな……。そう言えば、双子先生の姿も見えない。」
『……ねえ、ちょっとカイン手貸して?』
カイ「?ああ、分かった。」
トン
カイ「A、なんでいきなり目の前に……。」
『ふーん……なるほどねぇ(ボソッ)』
スノ「ほほほ。おかしなこともあるものじゃ。」
ホワ「我らも昨日は壁の絵から出られんようになってのう。」
カイ「冗談にしないでくれよ。俺の話は本当だ。」
ん?ホワイト先生のあの様子を見てると……冗談じゃないな。これ。
カイ「それより、聞いてくれ。賢者様が新しい魔法使いの召喚を引き受けてくださったんだ。」
シャ「それは助かりますね。賢者様、ありがとうございます。」
ムル「やった!新しい仲間!」
『これでまた”21人”になるんだ。』
賢者様「……?21人?」
『えーっと、カイン説明してないの?』
カイ「あ、忘れてた。」
『賢者様、賢者の魔法使いというのは通常なら20人なんです。それに選ばれる魔法使いは男の魔法使いが選ばれることが多いのです。しかし、何故か私ともう一人女の魔法使いが賢者の魔法使いとして選ばれてしまい、22人になったわけです。…まあ、もう一人の女性の魔法使いは前回の〈大いなる厄災〉との戦いで石になってしまったんですけどね…』
賢者様「Aは女の子ですよね?」
『はい、そうですよ。賢者様も、同性の者が1人いるだけでもかなり安心できると思いますよ。』
賢者様「そうですね。…私、召喚を上手く出来るか分かりませんが、少しでも、みなさんの力になれるなら。」
スノ「感謝するぞ、賢者よ。それでは、昼過ぎに召喚の儀式を行うことにしよう。」
ホワ「<大いなる厄災>の姿が、見えなくなってからの方が良いからのう。」
シャ「それまではごゆっくりなさって。まずは朝食にしましょう。カイン、ヒースクリフを起こしてきてください。魔女たちや南の魔法使いたちが石になってしまったので、朝食を作るものがいないんです。」
カイ「あいつ、作れるのか?貴族の坊っちゃんだぞ。」
シャ「手先の器用な子だったでしょう。彼じゃなきゃ、誰が作るんです?」
カイ「あんたは?酒場をやってるだろ?前に作ってくれた軽食をうまかった。」
シャ「朝から他人に奉仕したくありません。」
あ、嫌な予感
カイ「なら、俺が作るよ。ぶっこんで煮ればいいんだろ。」
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紅玲(プロフ) - 名無し23332号さん» そうなんですね!まだストーリーが進められていなくて知りませんでした。申し訳ございません (2020年12月15日 16時) (レス) id: 0c22ce51b9 (このIDを非表示/違反報告)
名無し23332号(プロフ) - 魔法使いは男性だけではありませんよ。石になった前の南の魔法使いにはおばあちゃん魔女がいます。 (2020年12月15日 16時) (レス) id: 311417e1f6 (このIDを非表示/違反報告)
A(プロフ) - とても面白くて一気に読んでしまいました!無理せず更新頑張ってください、楽しみにしています! (2020年10月29日 21時) (レス) id: d36a01234d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紅玲 | 作成日時:2020年10月18日 23時