▽ ページ41
Aside
「俺は慣れてるからええねん、大丈夫やで。
ありがとうな。」
振り返った彼の瞳は、なんだか切なさを含んでいた。
「こんなん慣れるもんやないですよ…！
小島くん優しいから、無理してません…？」
小島くんからもらった優しさを、返したい。そう思った。
「んー、無理してない言うたら嘘になるかもしらん。
けど、慣れてるっていうんはほんまやで。せやから大丈夫やねん。笑」
なんの根拠もない大丈夫。
私が余計なことを言わなければ小島くんはそう言い聞かせて、楽に生きていけたかもしれない
けど
「じゃあなんで涙目なんですか…」
小島くんの綺麗な目に浮かぶ水滴。
「俺最悪やな、女の子にこんなとこ見せるとか…笑」
「そんなことない！！男の子が弱いとこ見せたらあかんなんて、そんなん古いです。
…私じゃ頼りになりませんか？」
小島くんはビックリしたような表情を一瞬浮かべたあと
少し頬を弛めて、軽く首を振った。
「そんなん言われたん初めてや。
なんか気持ち軽なった気がするわ、ありがとうな。」
また優しく頭を撫でてくれる小島くん。
結局私が甘やかしてもらってる気がするけど
小島くんの笑顔がさっきよりも明るくなっていたから
少し私も嬉しくなった。
「ほな、もう暗いし送るわ。お家どこ？？」
「えぇ、申し訳ないですよ！！」
「助け合いなんやろ？送らせてや。笑」
このまま1人で帰るよりも、小島くんと話して帰る方が絶対に楽しいなぁ、なんて思ってどこまでも優しい小島くんに甘えることにした。
今日の夜ご飯何食べたとか、昨日の大晴のギャグがとか、他愛もない話をしながら歩いていると
ふと無言の時間が出来て目が合う。
「なんか照れんなぁ。笑」
なんて照れくさそうにはにかむ小島くんを愛おしいと思った。
「着きました！」
「え、まっさんと同じとこなん？！
だから一緒に帰ろう言うてたんか…！！」
シェアハウスええなぁ、なんて家を見上げる小島くん。
「小島くんも引っ越してきたらええやないですか笑」
なんて冗談めかして言うと
「ありやなぁ笑」なんて冗談っぽく笑いかえす彼。
「…ほな、帰るわ笑
また明日、サークルでな！」
今日はなんだか、1人でも寝れそうな気がした。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 270人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
咲良(プロフ) - 絶対完璧さん» わぁぁ嬉しすぎるコメントありがとうございます ！！！亀更新ですが楽しんで頂けると嬉しいです〜！ (2022年11月3日 1時) (
レス) @page42 id: e03173b876 (このIDを非表示/違反報告)
絶対完璧 - 面白いです!続き待ってます (2022年10月27日 16時) (レス) id: 9c542e42dd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：咲良 | 作成日時：2022年8月27日 12時
