綺麗な物語を貴方に《Yuto.N》 (ページ31)

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文化祭のコンテスト…？なんだっけ、そんなのあった？と脳内は疑問符で溢れている。コンテストなんて、全く記憶にない

そんな俺に浮所は丁寧に説明してくれた

そのコンテストは文化祭のメインイベントで、毎年盛り上がるらしく、注目度も高い

イベントは文化祭期間中に行われ、生徒、そして遊びに来る様々な人からの投票で決まるらしい
不正を働かなければどんな方法で票を集めても良い

『イベントのことはわかったけど、なんで俺が出ることに繋がるんだよ』

浮所「簡単だよ、優勝して告白するためじゃん」

『はぁっ！？』

浮所「優勝しなかったら一生告白するのもダメ、Aちゃんの気持ちも諦める。良い？」

『え、や…それは重くない？』

優勝なんてそう簡単に出来るわけがないし、そんなの無理に決まってる

それなのに、浮所はとんでもない案を持ちかけてきた

その提案を飲み込むことが出来ない俺に、教室に響き渡るぐらい大きなため息を放った。

浮所「那須はそうでもしないと行動出来ないじゃん、今やらなくていつやるの？それとも、このまま一生逃げ続けるつもり？」

『そんなつもりは…』

浮所「本当にふさわしい人になってAちゃんに振り向いてほしいならこれが絶好のチャンスだと思うけど？」

…そうだ、俺は振り向いてほしいのにいつだって自分のことばかりだった

そんなんじゃ振り向いてくれるわけもないのに。

逃げるのはもうやめたんだ、なんだってやってやる。

『…俺、出るよ』

浮所「そうこなくっちゃ！じゃあ申し込みしとくね～」