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「覚えてるも何も、同じクラスの…」
『そうじゃなくて!その、試験の時…助けてもらったこと、あるんですけど』
「助けた…え、私がですか?」
『試験前、体調悪くなってる俺を気遣ってくれて…飴くれたと思うんですけど…』
「…ああっ!え、あの時の!」
自分から声をかけた以上、今さら後には引けず、自分でも1番勇気を出したと思う
あの日の出来事を話すと思い出してくれたのか、目を見開いて驚いていた
良かった…俺だけしか覚えてないのかと思った
『ずっとお礼言いたくて…あの時はありがとうございました』
「それであんなに見てたんだ…」
『え?』
「あ、ううん!お互い受かって良かったね?お礼なんてわざわざ言わなくても…」
あの時、声をかけてくれなければここに受かってなかったかもしれないから…感謝だけでも伝えたかった
…ここまで話しかけられないとは思わなかったけど。
結局ストーカーみたいに見てることしか出来なかったけど。
でも、目標は達成できたし良かったかな
『えっと、伝えたかったのはそれだけです…話しかけてごめんなさい…』
いや、何謝ってんだよ…こういうときに浮所なら気の効いた言葉を言えるんだろうけど、俺は緊張でそれどころじゃない
こんなに輝いた人を目の前にして冷静にいられるわけがない。
地味と言われて人との接点がほとんどない俺にとっては驚くべき進歩だ。
なんて自画自賛してると、彼女が近付いてきて俺の顔を覗き込む
「ねぇ、那須くんって…綺麗な顔してるよね」
『ええっ!?』
あまりの近さに驚き、予想外の言葉に焦っていると、俺のメガネに手をかけてそっと外した
やばい…俺、どうにかなりそう
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さき(プロフ) - 那須担と浮所担なのでこのお話大好きです!!ドキドキします!!更新楽しみにしてます!! (2020年4月17日 2時) (レス) id: a85c301552 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:優風翔 | 作成日時:2020年4月15日 23時