＊ ページ41
nb「…なんか、最近メンバーにも言われたわそれ」
dt「ん？」
nb「なんか、幸せそうだねって。どんな顔してんだ俺って思ってるとこ」
dt「…そっか」
nb「おう…どうした？」
dt「ん？いや、なんでもない。お皿もらう」
nb「おう、ありがとう」
最近の涼太は少しだけ、暗い気がする。
それが少しもどかしいような寂しいような。
なんかあった？と聞きたいけど、聞いちゃいけないような気もするし…
このもどかしさが胸を締め付けてるだけならいいんだけど。
『俺も好きだよ、ちゃんと付き合って』
寝ぼけて遠のく意識の中でその言葉が聞こえた気がする。
それが俺の妄想なのかなんなのかまでは分からない。
もし涼太の口から出た言葉なら、俺は…。
nb(なんか、モヤモヤすんな)
ぼーっとしながら、くつろいでいると少しずつ眠くなる。
nb(あーやべ…眠くなってきた)
少しずつ、意識が遠のく。
気づけば、朝見たあの夢にいた。
藍色の大理石みたいな床と少し甘い匂い。
どうせ歩いて匂いの理由を探したって見つからないし、
もう諦めてしまおうか。
そう思った瞬間、ひび割れていく床。
nb「え、ちょっと、やべ」
立ち上がってひび割れから逃げているのにどんどん割れていく。もう間に合わない。
その時、一瞬だけ感じた甘い匂いが強く香った。
手を伸ばすと温かい布のようなものを感じる。
dt「翔太？」
nb「んっ…あれ…？」
dt「起きた？」
nb「んん…ごめん、寝てた」
手を伸ばして掴んだ瞬間、目が覚めた。
俺が掴んだものは涼太の腕。
dt「なんか苦しそうだったけど…大丈夫？」
nb「うん…なんか床が割れて逃げてて、そしたら甘い匂いして掴んだら、涼太だったわ」
dt「甘い匂い…って俺の香水かな」
nb「香水？変えた？」
dt「うん、これ」
渡されたボトルに書いてあったのは、フリージア。
嗅いでみると同じ匂いがした。
nb「これだ」
dt「夢で俺のこと探してたの？」
nb「…あー、いやたまたまじゃね？」
dt「そっか、そうだよね」
また少しだけ寂しそうな顔。
モヤモヤもどかしい、俺の心。
nb「ごめん」
dt「ん？」
nb「その、嫌な言い方して」
dt「いやいや、俺こそ、謝らせるような態度とってごめん」
nb「いや…ごめん」
dt「……」
さっきまで、楽しそうだったのに。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 509人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
こるこる - 大好きです！応援してます！！ (7月26日 18時) (
レス) id: 9197daf582 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：stanley | 作成日時：2023年7月16日 1時
