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簡単な最後にはお似合いな二人 ページ18

『iwfk』 iw side


深夜2時。いつものように寝付けなくてふっかをドライブに誘った。
いつもなら渋るのに、なぜか今夜はすんなりと受け入れて着替え出した。
その返事は何の抑揚もなかったけど。

夜は少し肌寒くなって途中でホットコーヒーを買った。

iw「はい」
fk「ありがとう」
iw「なんか、聞く?」
fk「…ラジオで」
iw「…分かった」

静かだった。
いつも1人で少し遠くの海岸沿いまで高速を使って向かう道。
ふっかに会えないと言われた夜はいつもこの道を走って気を紛らわせていたっけ。

2人で無言のまま、窓を開けて海の音を聞く。
ラジオはずっと流行りの音楽を垂れ流していて、それは陳腐なラブソングで2人の雰囲気には全然合わない。

fk「照。帰ろ」
iw「分かった」

元きた道を戻る。高速に乗って20分。

fk「俺たち、もうやめよ」
iw「え?」
fk「会うの」
iw「…」

反論は受け付けないというその言い方と態度。

iw「分かった」
fk「うん…この後のジャンクション降りて、俺のことおろして」
iw「…分かった」
fk「…何も聞かねーんだな」
iw「…聞いても答えないでしょ」
fk「まぁ…そもそも俺たち、付き合ってもねーしな」

そうだった。
いつも俺の方が好きだった。連絡するのも求めるのも全部、俺からだった。

次の、次のジャンクションまであと少し。
できたらもう少しだけ話したかった。
欲だけで繋がっているんじゃなくて、普段の何気ない君のことをもっと知りたかった。
でも確かにあったはずだ。一緒にいるだけで信じ合えてた頃だって。

(あれは嘘だった?…なんて聞けないか)

指定通りのジャンクションで降りて、近くのコンビニで車を停める。

fk「ありがとう、じゃあな」
iw「…おう」

何もなかったみたいに、また明日会うみたいに車を降りて誰かに連絡を取ってる。

俺は何も言えないまま。冷めたホットコーヒーを口にして少し泣いた。

*→←目に見えなくたってそばにある。



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こるこる - 大好きです!応援してます!! (7月26日 18時) (レス) id: 9197daf582 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:stanley | 作成日時:2023年7月16日 1時

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