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9:広瀬 周
「ねぇ、咲くん」
広瀬は、横になりながら、隣のベッドで寝ている藤堂に話しかけた。
「何?」
「進路って、もう決めたの?」
真面目な質問に、藤堂は噴き出した。
「それ、今聞くことなの?」
「いいから。教えて?」
藤堂は笑いを収めた。
「俺は、能力省に行く」
「・・・咲くん、仕事できんの?」
能力省は、いくつかの部署に分かれている。hns(非能力者)と共に政治をする部署や、闇の能力
の問題を扱っている部署など、様々なものがある。
「うるさいな・・・。周くんは、進学?」
能力者は、八年間、能力学校に通えば、hnsの大学に進学したり、働いたりすることができる。
hnsの大学を出れば、hnsの社会にでて、働くことができる。能力者の大学はないので、進学なら、
hnsの大学ということになる。
「・・・人の進路に口だすつもりはないけどさぁ」
藤堂は言葉を切った。そして、そっと息を吸った。
「覚悟はあるの?・・・向こうで生きていく」
広瀬は、藤堂の真剣な目に、どきりとした。
「俺らがhnsの社会にでたって、差別されるだけだもん」
藤堂の言うとおりだ、と広瀬は思った。
一つ年上で、親友の藤堂が、とても大きく見えた。
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- 全体運: ★★★☆☆
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作者名:藤宮伶 | 作成日時:2017年10月9日 9時