参 ページ23
艶やかな黒髪に真っ赤な瞳。
その容姿は息を呑むほど美しい。
本当に人間なのか?と問いたくなるほどに。
｢...あ、あの...｣
男が声をかけると彼女は静かな笑みのまま振り返る。
核を探していると言うと彼女は少し考える素振りをしてから大きく手を広げた。
男はすぐにわかった。
彼女自信が核なのだと。
彼女を刺せば幸せな夢を見せてくれる。
ただの夢だ。幻想なのだと言い聞かせようとする。
だが、
｢できない...俺には..｣
人殺しと思うと足がすくんで全く刺すことができなかった。
彼は泣き崩れその場にうずくまった。
そんな彼を彼女は優しく包み込む。
暖かく優しい温もりに彼は目を閉じた。
｢....おい!おい!四月一日!｣
『!!』
彼女はハッと目を覚ました。
響凱が心配そうに顔を覗かせる。
自分の隣には男が泣きながら彼女を見つめる。腕にはなぜか綱が。
『....あなたは?』
｢こいつがお前を殺そうとしたんだ。おそらく、鬼の仕業だろう｣
『そう....』
男はビクビクもしていた。彼とは自分の繋がれた縄を切り、彼に話しかける。
『あなた白血病ね。これ...飲みなさい』
渡したのは真っ赤な液体の瓶。
男は少し不審な顔をした。
『これで治ると思うわ。....可愛うにまだ若いでしょうに』
｢....あ、ありがとうございます..ありがとうございます!!｣
この時代。白血病は結核と並ぶ不治の病とされていた。
どこの腕のいい医者でも治すことなど不可能だった。
だが、この液体を飲むとどうだろうか。
嘘のように体が軽くなった。
彼女はそのまま寝ている客を見てから運転席へと向かった。
｢!!...あ、あんたらは一体!?眠らせたはず...!｣
『この列車を止めなさい。でないと..多くの犠牲者が...』
｢うるさい!うるさい!!俺は幸せな夢を見せてもらうんだ!!｣
子どものように騒ぐ車掌。
彼もさっきの男のように鬼に甘い言葉をかけられたのだろう。
鬼は所詮彼らのことを食料としか認識していない。
食べられてしまうのがオチだろう。
だが、彼は今錯乱状態で話を聞きそうにない。
｢じゃ、邪魔するなら...しねぇぇえええ!!!｣
小刀を持って突撃してくる。が、それは響凱が前に立ち阻止された。
響凱がは元の大きさとなり、車掌を睨む。
｢人間。覚悟できてるのか?｣
｢ひ、ひぃ!!｣
｢このまま食っても構わないのだぞ｣
そう言うと恐怖のあまり車掌は気絶してしまう。
小さくなり再び般若の麺を被った。
『ありがとうございます。助かりました』
そう言うと彼は僅かに頬を赤らめた。
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甘喰い(プロフ) - 鴉さん» 全然更新できなくてすいません!!感想ありがとうございます!!しっかり読み返して誤字など直していきます...ご指摘ありがとうございます!!助かります (2020年2月3日 18時) (
レス) id: 8ab12c2783 (このIDを非表示/違反報告)
鴉(プロフ) - 更新されている分読ませていただきました。とても面白かったです。読んでいて思ったのは、結構誤字が多かったので、一度ご自身で読んで確認された方がいいかもしれません。突然このような指摘で申し訳ないですが、更新頑張ってください、応援してます。 (2020年2月2日 21時) (レス) id: f7552a9a46 (このIDを非表示/違反報告)
甘喰い(プロフ) - 涙さん» 毎度毎度ありがとうございます....申し訳ないです！引き続き宜しく御願い致します!! (2020年1月5日 9時) (レス) id: 1876c611a8 (このIDを非表示/違反報告)
涙(プロフ) - 遊楽ではなく遊郭です (2020年1月5日 2時) (レス) id: 5e09944bd4 (このIDを非表示/違反報告)
甘喰い(プロフ) - 涙さん» ほんとだ!!わざわざありがとうございます!!! (2019年11月22日 12時) (レス) id: 1876c611a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：甘喰い | 作成日時：2019年10月22日 20時
