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第四話 刀の話 ページ11

「四月一日は刀など持たないのか?」


『刀...ですか。あまり殺生は好きじゃないんです。この仕事やってると特に』


と言う。だが、少し考えて頷く。


『そうですね。少し....持ってみてもいいかもしれません』


何がそうさせたのか。

急に考えを変えた彼女に不信感を持ちながらも彼女と共に鍛冶屋の所へと向かった。


「ダメだ」


あっさりと断られてしまった。
なんでも鬼殺隊じゃない奴には色がつかないと言われ。

それに


「すぐ刀を折りそうなお前みたいな奴には刀は打たない!!」


と頬を痛いほどつつかれる。
響凱がなんとかやめさせるようにしてくれたが、このひょっとこのお面の....

鋼鐵塚蛍。

だいぶ刀に熱意があるようで、なかなか首を縦に振ってくれない。
それに腹が立った響凱が立ち上がる。


「....物分りの悪い男だ。従わないなら力づくで..」


『響凱さん。ダメです』


響凱さんは「ぬぅ..」と少し呻いてぐっとこらえる。


『あのこれ...差し上げます』


彼女は途中の道で買ってきたみたらし団子を鋼鐵塚に差し出す。

すると、鋼鐵塚の出す雰囲気が変わった。

お面を横にして食べ始めた。

随分お綺麗な顔立ちで、これで37だから驚きだ。


「で、どんな刀を撃つんだ」


さっきとは打って変わって了承してくれる。
案外チョロいなと響凱は思った。

だが、刀と言っても鍛錬をしたことの無い彼女にとって刀はとても重いもの。

なかなか振り回すには重いし大きかった。

ふと、ある形が頭の中で思いつく。


『鋏....なんてどうでしょうか』


「なに....鋏だと?」


何がおかしかったのか驚いた顔をした。

そして、四月一日に迫ってくるが、響凱が前に立った。


「どうして鋏なんて言い出した」


『鋏なら私も持てますし、刃物だからいいかなと』


その答えに彼は「そうか」と言い座った。

そして彼はこんな昔話を始めた。

昔、鋏を注文した女がいた。

その鋏は紅色に染まり呼吸は鬼の血肉や自身の血を糧とする。

多くの鬼を斬り人を多く助けた。

歴代の柱の中でもずば抜けて強かった。

だが、


「アイツは死んだ。鬼との戦闘で」


『...どんな方でしたか』


「...よく刀を折ってよく笑うやつだった。鬼殺隊になった以上死ぬのは仕方ない。だが、あの綺麗な紅の鋏が見れないのが残念だ」


淡々と話す彼だが、どこか寂しさの残る声色をしていた。

弐→←参



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甘喰い(プロフ) - 鴉さん» 全然更新できなくてすいません!!感想ありがとうございます!!しっかり読み返して誤字など直していきます...ご指摘ありがとうございます!!助かります (2020年2月3日 18時) (レス) id: 8ab12c2783 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 更新されている分読ませていただきました。とても面白かったです。読んでいて思ったのは、結構誤字が多かったので、一度ご自身で読んで確認された方がいいかもしれません。突然このような指摘で申し訳ないですが、更新頑張ってください、応援してます。 (2020年2月2日 21時) (レス) id: f7552a9a46 (このIDを非表示/違反報告)
甘喰い(プロフ) - 涙さん» 毎度毎度ありがとうございます....申し訳ないです!引き続き宜しく御願い致します!! (2020年1月5日 9時) (レス) id: 1876c611a8 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 遊楽ではなく遊郭です (2020年1月5日 2時) (レス) id: 5e09944bd4 (このIDを非表示/違反報告)
甘喰い(プロフ) - 涙さん» ほんとだ!!わざわざありがとうございます!!! (2019年11月22日 12時) (レス) id: 1876c611a8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:甘喰い | 作成日時:2019年10月22日 20時

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