肆 ページ16
その光景を見ていた炭治郎は彼女に話しかける。
｢何を言ったんですか？｣
『やる気にさせるのに手段は選ばないタチでね』
炭治郎が思った以上に彼女は無茶苦茶な性格かもしれない。
さっきの落ち着いた口調の四月一日とは違ったような。
『....そろそろおいとましようかな。待ってる人がいる』
｢そうですか。ありがとうございました!｣
彼女はお面を外し笑う。
真っ直ぐで太陽のような笑顔。
彼女のような人が柱だったらどんなに心強いか。
『炭治郎くん。妹を守ってくれ...その優しい心を無くさないで』
慈愛に満ちた笑顔はとても悲しいものであった。
その時初めて彼女から悲しく優しい香りがした。
だが、お面を被るとその香りは嘘のように消え失せ、甘く酔うような匂いが立ち込める。
鼻が敏感である炭治郎なら尚更その香りを強く感じることができた。
『炭治郎さん。また』
｢はい｣
そのまま出ていく四月一日に胡蝶は出会ってしまった。
｢....葬儀屋さん。何の用ですか?｣
『少し』
｢くれぐれも迷惑をかけないようにしてくださいね｣
『わかっている。....無理はしないで』
その言葉に彼女は変な顔をする。
いつもそんなことを言わない四月一日が今日に限ってそんなことを言うなんて。
何かあるのかと疑いたくなった。
それを聞く前に彼女の姿はもうなかった。
『ただいま戻りました』
戸を開けると響凱がすぐに出迎えてくれた。
｢おか....えり｣
まだ少しぎこちない挨拶に四月一日はクスクスと笑う。
響凱はムスッとした顔で彼女を持ち上げて新しい小説を見せてくれた。
彼女の部屋と自分の部屋だけでは元の姿に戻れる。
鼓や小説。響凱がやること全てに彼女は笑って手を叩き褒める。
それが嬉しくて嬉しくて。
彼も笑う。
強く抱き締めた。
戸を叩く音がした。
彼女が出ていく。
『あら。お久しぶりですね』
彼女はお面をしていない。珍しくと思い部屋から覗いていた。
｢えぇ。久しぶりですね｣
『お元気そうでなによりです』
黒髪に高価な服、綺麗な顔つき、紳士そうな口調。
そして、血を吸ったような真っ赤な瞳。
響凱は彼を知っていた。
彼だと認識した瞬間、震えと恐怖が止まらなくなった。
信じたくなった。ここにあの人がいるなど。
『月彦さん。今日はどのようなご要件ですか?』
月彦と言われる男はし線をこちらに向ける。
｢少し....様子をと｣
彼こそが鬼舞辻無惨だ。
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甘喰い(プロフ) - 鴉さん» 全然更新できなくてすいません!!感想ありがとうございます!!しっかり読み返して誤字など直していきます...ご指摘ありがとうございます!!助かります (2020年2月3日 18時) (
レス) id: 8ab12c2783 (このIDを非表示/違反報告)
鴉(プロフ) - 更新されている分読ませていただきました。とても面白かったです。読んでいて思ったのは、結構誤字が多かったので、一度ご自身で読んで確認された方がいいかもしれません。突然このような指摘で申し訳ないですが、更新頑張ってください、応援してます。 (2020年2月2日 21時) (レス) id: f7552a9a46 (このIDを非表示/違反報告)
甘喰い(プロフ) - 涙さん» 毎度毎度ありがとうございます....申し訳ないです！引き続き宜しく御願い致します!! (2020年1月5日 9時) (レス) id: 1876c611a8 (このIDを非表示/違反報告)
涙(プロフ) - 遊楽ではなく遊郭です (2020年1月5日 2時) (レス) id: 5e09944bd4 (このIDを非表示/違反報告)
甘喰い(プロフ) - 涙さん» ほんとだ!!わざわざありがとうございます!!! (2019年11月22日 12時) (レス) id: 1876c611a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：甘喰い | 作成日時：2019年10月22日 20時
