【wrwrd】夏が終わるその前に【深夜廻】 (ページ12)

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11、紙ページ12

行く先行く先に、ナニカがいる。

『危険、この先通るな!』という看板を横目に、前から女性の声が聞こえ、遅れて空から女の人が落ちてきたり、数秒経つと、増える人魂。ナニカにはいろんな種類がいるようだ。

人魂から逃れた道路で、また紙切れを見つけた。

『お化けに襲われたときは、小石か何かを投げて気をひいてるうちに逃げる事』

ポケットには何個か石ころが入っている。困ったときにはこれを投げて逃げよう。

白いナニカから見つからず、道路の曲がり角を曲がろうとしたとき、紙切れを見つけた。

今まで見つけてきた紙切れではなく、メモの切れ端。

文字が書かれているようだが、赤絵の具よりも濃い赤いシミで読めない。

と思ったけれど、メモ用紙は厚く作られているらしく、裏に何かが掛かれている。

『グルッペン様に出会ったら…

手と、足、と、首の、あるも、の、を渡す、事…』

グルッペン様…。聞いたことがある。クラスで一番背が低い夏海とクラス一ピアノがうまい千恵香が噂していたものだ。

『グルッペン様
何処かに祀られている、縁切りの神様。』

確か、何処かの町に住む神様みたいなものと仲が悪いらしい。

何かの役に立ちそうだと思い、その殴り書きのメモ用紙を拾った。

その先に、赤い街灯に照らされるお地蔵さんを見つけた。

「また、来たんかい。」空耳だろう、そんな声が聞こえた。